研究課題/領域番号 |
15K00168
|
研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
松尾 啓志 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00219396)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | リプリケーション / 一貫性レベル / バックエンドベース / ミドルウエア |
研究実績の概要 |
システムの可用性、信頼性を実現するためにデータベースの複製を作成する技術であるレプリケーションが広く利用されている。しかし、アプリケーションごとに要求される最低限の一貫性を保証するレプリケーションプロトコルを個別に実装することは、管理や運用の面でユーザの負担となる。従って、複数の一貫性レベルを保証可能なレプリケーションプロトコルが求められる。既存研究であるMulti Consistency Data Replication(McRep)は、ミドルウエアベースのレプリケーションであり、かつ複数の一貫性レベルが保証可能である。しかしクライアント数の増加につれ、ミドルウエア部に配置されたレプリケーション制御を行うサーバ(リプリケータ)が性能のボトルネックとなる問題がある。本研究では、McRepと同様のレプリケーション制御を実現しつつ、この問題を解決する手法を提案する。具体的にはレプリケータをレプリカのみと通信を行うバックエンド部に配置し、各レプリカをRead Onlyトランザクションの一貫性制御を行う。ほん手法を実装することにより、Read Heavyなワークロードにおいて、一貫性レベルがOne Copy Serializabilityの場合、最大スループットがMcRepの約2倍向上することを確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
すでにバックエンドベースのリプリケーションプロトコルについては一昨年度論文発表ずみであり、昨年度は、さらに単一故障店を排除したpaxosベースの一貫性制御プロトコルに関する論文も発表した。今後は、さらなるパフォーマンス向上について検討する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
研究は順調に進んでいるが、いわゆるスケールアウト時のパフォーマンスについてさらなる検討が必要である。また実際のワークロードに対応した評価も必要である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
現在の計算機環境で、基礎的な開発が可能であった。また難関国際学会に挑戦したが、アクセプトされなかったので旅費の拠出がなかった。
|
次年度使用額の使用計画 |
国際学会で発表する予定。
|