研究課題/領域番号 |
15K00172
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
南里 豪志 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (70284578)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 並列計算 / MPI / 集団通信 / 高性能計算 |
研究実績の概要 |
本年度は、準備型集団通信インタフェースの設計案を作成した。具体的には、インタフェース設計で重要となる、各集団通信の以下のパラメータについて、準備型集団通信インタフェースの準備開始関数で指定した場合と、データ転送関数で指定した場合のそれぞれについて優劣を検討した。 ・コピー対象領域のアドレス、データ型、要素数、コピー元のプロセス番号、集約演算の種類、プロセスグループ コミュニケータから得られるプロセスグループの情報は、準備開始関数で指定されなければ、ほとんど準備が行えない。一方、通信対象領域のアドレスについては、準備開始関数で指定されれば予めメモリ登録や遠隔アドレス情報交換等の準備が行えるため、データ転送時にゼロコピー通信や NICへのオフロードのような高性能通信が行えるが、データ転送性能への効果や、準備開始関数のオーバヘッド、情報を保持するために使用するメモリ量は、実装して検証する必要がある。また、異なるメモリ領域に対して何度も同じ集団通信を行うアプリケーションでは、準備に要するオーバヘッドやメモリ量の問題が深刻になる。InfiniBandの RDMA機能を直接操作可能な IB verbsを用い、プロトタイプを実装して評価した結果、準備操作のオーバヘッドが大きく、通信のパラメータをデータ転送関数で毎回指定する方式では性能が大幅に低下することが分かった。そのため、本研究で提案するインタフェースとしては、全パラメータを準備開始関数で指定する設計とする。 さらに、作成した準備型集団通信関数のプロトタイプについて基本性能を評価するとともに、実行時の状況に応じてアルゴリズムを選択する技術について、実験により効果を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していたプロトタイプ実装と、それに基づいたインタフェース設計が、予定通り完了した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、来年度以降は実用的なインタフェースとしての実装を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費が想定より若干安かったため。
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次年度使用額の使用計画 |
特に変更なし。
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