| 研究課題/領域番号 |
15K00178
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| 研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
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研究代表者 |
山田 進 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究主幹 (80360436)
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| 研究分担者 |
大橋 洋士 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (60272134)
町田 昌彦 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究主席 (60360434)
太田 幸宏 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 任期付研究員 (60386597) [辞退]
永井 佑紀 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究職 (20587026)
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| 研究期間 (年度) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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| キーワード | 高性能計算 / 固有値計算 / 高速化 / 量子問題 |
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| 研究実績の概要 |
電子間に強い相関のある量子多体モデルモデルであるハバードモデルから導かれるハミルトニアンの基底状態（最小固有値とその固有ベクトル）を反復法で計算する厳密対角化法に対して、GPUおよび超大規模並列計算機用の高速化を実施した。反復法において最も計算量の大きい部分は疎行列であるハミルトニアンとベクトルの掛け算部分であり、この部分を高速化することが重要である。そこで、本年度は、ハバードモデルの物理的性質を考慮して問題を分割することで、GPUでの計算に適した規則的なデータ配列になることを見出し、高速化を実現した。さらに、GPUでの演算のためには、CPU側のメモリとのデータのやり取りが必要になるが、このデータのやり取りと同時に演算を実行することで、やり取りの時間を隠ぺいすることに成功した。この成果は国際会議「SIAM Conference on Parallel Processing for Scientific Computing (PP16)」において発表した。また、超大規模並列計算を実施する際には、計算量の増大に伴って累積誤差の影響が大きくなり計算結果の精度がなくなることが指摘されているため、FMA命令を利用して開発した４倍精度基本演算ルーチンを4倍精度固有値計算ソルバに利用し、大規模な固有値問題であっても高精度かつ高速に計算できることを確認した。
また、本研究によって得られたコードを利用したシミュレーションにより得られた物理結果が物理分野の論文誌Physical Review BおよびJournal of the Physical Society of Japanに掲載された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
量子多体モデルに対する厳密対角化の高速化・大規模化は、実際の計算機シミュレーションにより高速化等が実現していることが確認できている。さらに、開発したコードを利用したシミュレーションにより物理的結果も得られている。
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| 今後の研究の推進方策 |
量子多体モデルに対する計算方法のGPU化の可能性を調査するとともに、大規模計算機向きの高速化・高精度化を進めていく。また、開発したコードを利用したシミュレーションを実施し、物理分野の新しい知見を得ることも目指す。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度に発表を予定していた会議よりも、平成29年度に開催される会議のほうがより発表内容に適していたため、その分の旅費・参加費等を繰り越したため。
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| 次年度使用額の使用計画 |
既に計算科学分野・物理分野とも研究成果は得られており、その成果を発表予定の会議はすでに決定しており、この発表のための参加費や旅費等に使用する。
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