研究課題/領域番号 |
15K00185
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
大東 俊博 東海大学, 情報通信学部, 講師 (80508127)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 属性ベース暗号 / オンラインストレージ / ストリーム暗号 |
研究実績の概要 |
クラウド上のオンラインストレージを安全に利用するために,暗号文ポリシー属性ベース暗号(CP-ABE)を利用してクライアント側でアクセス制御付きの暗号化を行うシステムの研究開発を目的としている.具体的には異なる複数の組織が混在した環境でファイル共有を行うモデルについて検討を進める. 本年度は平成27年度に再実装したファイル共有システムをベースにして,システム上でやり取りするリストファイルと呼んでいる暗号化されたディレクトリ情報を分割管理する方法について検討・評価した.これは,本課題でやり取りする組織が増えることで柔軟にリストファイルを送受信できる必要があると考えたからである.本成果および他の新世代暗号の利用についての検討について,2016年9月に開催されたMATワークショップ2016で口頭報告した.さらに、実装技術については前年度から引き続きTEPLAに関する技術を確認し,プロキシ暗号などシステム中で応用できる可能性があるものを作成している. また,本システムではハイブリッド型の暗号化の仕組みを前提としており,その中で 用いる可能性がある共通鍵ストリーム暗号について安全性評価も実施している.これらの成果のうちRC4暗号に関する安全性評価は電子情報通信学会の英文論文誌に採録されている.また,ストリーム暗号において中間一致攻撃が可能となるモデルの提案および重要な暗号方式であるGrain v1へ適用した結果は国内学会で発表している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
複数の鍵発行センターを用いるモデルについて検討が遅れており,ベースとしたシステムへの実装・評価も遅れてしまっている.
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今後の研究の推進方策 |
複数の鍵発行センターを用いるモデルについて,自身での方式についての検討が終わらずとも,まずは他の研究グループが提案している方式を実装・評価するところから始めることで実装技術について確認を行うようにする.その上で、申請書で概要を書いている方式を詳細化し,比較を行うようにする.その他,提案方式の安全性評価,研究課題に関連する要素技術の評価なども引き続き行っていく.
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