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2016 年度 実施状況報告書

医療ビッグデータのプライバシー保護ロジスティック回帰の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K00194
研究機関明治大学

研究代表者

菊池 浩明  明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (20266365)

研究分担者 康永 秀生  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (90361485)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード秘匿計算 / 医療情報 / ロジステック回帰分析
研究実績の概要

H28年度は,多重ロジスティック回帰を計算する数値計算手法を調査し, 多大な計算コストのかかるPPDMに適しているアルゴリズムとして,反復再重み付け最小二乗法IRLSを選出した.IRLSは,収束効率が良く,多くのロジスティック回帰で採用されている効率的なアルゴリズムである.加法準同型性を満たした公開鍵暗号で,このアルゴリズムを実施するシステムを試験実装し,そのパフォーマンスを評価した.これらの成果は,国際会議ASIAJCIS 2016にて発表した.疫学コホート研究の観点で許容できる精度の要求条件を満たしていることも考慮し,必要に応じて既存の方式を改良する.また,垂直分割多重回帰を秘匿計算するプロトコルを実装し,現実の5000名の診療情報に適用した.それにより,十分な精度を持っていることを確認している.
主な論文は次の通りである.
1. H. Kikuchi, H. Yasunaga, H. Matsui and C. I. Fan, Efficient Privacy-Preserving Logistic Regression with Iteratively Re-weighted Least Squares,2016 11th Asia Joint Conference on Information Security (AsiaJCIS), pp. 48-54, IEEE, 2016.
2. 濱永 千佳 , 菊池 浩明 , 康永 秀生 , 松居 宏樹 , 橋本 英樹プライバシーを保護した垂直分割線形回帰システムの実装とDPCデータセットを用いた評価マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2016論文集, pp. 1471-1478, IPSJ, 2016.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通りのプロトコルの提案と試験システムの実装を行っているため.一部の成果を国際会議で発表している.

今後の研究の推進方策

加法準同型性に代わり,完全準同型性を満たす新しい公開鍵暗号や深層学習などのより複雑な応用が出始めている.ロジスティック回帰とも整合しており,これまでの知見を生かすことも検討したい.

次年度使用額が生じた理由

当初計画していた専門家による知識提供の予定が不要になり,そのためにかかる費用がかからなくなったため.

次年度使用額の使用計画

現在技術革新が進んでいる完全準同型性暗号や深層学習などの専門家による技術提供を計画している.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Efficient Privacy-Preserving Logistic Regression with Iteratively Re-weighted Least Squares,2016

    • 著者名/発表者名
      H. Kikuchi, H. Yasunaga, H. Matsui and C. I. Fan,
    • 雑誌名

      11th Asia Joint Conference on Information Security (AsiaJCIS)

      巻: 1 ページ: pp. 48-54

    • DOI

      https://doi.org/10.1109/AsiaJCIS.2016.21

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] プライバシーを保護した垂直分割線形回帰システムの実装とDPCデータセットを用いた評価2016

    • 著者名/発表者名
      濱永 千佳 , 菊池 浩明 , 康永 秀生 , 松居 宏樹 , 橋本 英樹
    • 学会等名
      マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2016論文集
    • 発表場所
      鳥羽シーサイドホテル
    • 年月日
      2016-07-06 – 2016-07-08

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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