共感に関わる日本語版尺度を開発し,共感の認知/感情的側面について,行動,遺伝子多型ならびに脳活動を指標として包括的に検討した。まず文化比較の観点から,顔を刺激とした共感課題を日本と香港において実施し,人種バイアスは右VLPFCが賦活するほど強くなることを個人内変数ならびに遺伝子多型との関わること,そうした右VLPFCの向社会的行動への関わりも示した。さらには泣いている乳児への行動変容に,共感的関心および認知負荷との関わりのもとで生じること,ならびに環境感受性との関わりが見出されているオキシトシン受容体(OXTR)と被養育経験との関わりのものとで生じること等を見出した。
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