「人間を中心」となる運転補助システムに対して、より効果的かつ安全な支援を行うためには,ドライバの外界認知状態および車両操縦能力を推定し,ドライバの運転意思に基づいた支援を行うことが有効だと考える。しかし、国内外では外界走行環境における危険予測も含む運転タスク(車線維持、障害物との衝突回避、交通流に合せる加速減速など)が視線移動パターンと車両操縦行為で代表されるドライバの運転意思との関連性はまだ解明されていない。本研究の目的は、ドライバが特定な場面に応じた視線移動パターンと車両操縦パターンを解析し、運転意思との相関性を求め、疲労運転と漫然運転の早期兆候を明らかにするものである。 本研究はH27年度~H29年度の三年間で行われる予定で、フェーズT1(平成27年度)では研究遂行の基盤である視線移動パターンと車両操縦パターンの解析に当たる。主にドライビングシミュレータでの実験となり、不定多数の運転者から視線移動パターンと車両操縦パターンと特定な運転タスクとの相関性を調査した。 具体的には、外界運転環境における構成要素(自車両、先行車両、車線、障害物、信号等)の解析を行い、危険予測を含む運転タスク(車線維持、障害物との衝突回避、交通流に合わせる加速減速など)に応じる目線移動パターンと車両操縦パターンを解析した。 システム構成としては、両眼型眼球運動解析システム(竹中機器製)とドライビングシミュレータより生成する運転タスクシーンにおける環境での解析を行った。
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