研究課題/領域番号 |
15K00234
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
堀川 順生 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), シニア研究員 (50114781)
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研究分担者 |
小島 久幸 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (00104539)
杉本 俊二 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50422811)
細川 浩 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80181501)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 聴覚皮質 / 音の繰り返し間隔 / 条件付け / 光計測 / モルモット |
研究実績の概要 |
脳における音の時間的情報の処理には、変化の時間的長さが重要な要因となる。モルモットは90msで振幅が減少する自然音(靴音)とその音の逆転音を区別することがこれまでの研究で確認された。本年度は、100msよりも長い時間的情報の処理について調べた。刺激音として、一定の間隔で繰り返す靴音(90ms、85dBSPL)を用い、その間隔を115msから3000msまで変化させた。靴音の繰り返し間隔は1150msを基準(100%)にして、%で表した(%が小さいほど間隔は短い)。モルモットに100%間隔音を他の間隔音と区別するように条件付けを行い、条件付け前と後で一次聴覚皮質の反応を比較した。聴覚皮質を電位感受性色素(RH795)で染色し、繰り返し音に対する反応を光計測した。条件付け前では、靴音の間隔が30%(間隔345ms)より長い場合には、繰り返し音の個々の音の全てに対して反応した。間隔が20%(230ms)より短い場合は、最初の2~7音に反応し、それ以降の反応が急激に減少した。特に10%音に対しては最初の2~3音のみに反応した。条件付け後は、靴音の間隔が30%より長い場合には条件付け前と同じく、繰り返し音の個々の音の全てに対して反応した。間隔が20%(230ms)より短い場合は、反応が最初の9~11音に現れ、反応する音の数が条件付け前よりも多くなった。10%音の場合、反応が現れる長さは100%音の間隔(10%間隔の10音分)に対応していた。これらの結果から、一次聴覚皮質は条件付け後に、間隔が230msより短い刺激音に対してより長く反応するように変化することが示された。条件付け後に10%音の反応が100%音の間隔の間で現れるように変化したことは、条件付け刺激である100%音の間隔を聴覚皮質の反応として獲得したことを示唆する。
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