研究課題/領域番号 |
15K00239
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
原 健二 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (50380712)
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研究分担者 |
浦濱 喜一 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (10150492)
井上 光平 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (70325570)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | インバースレンダリング / 不均等拡散面 / 未較正照度差ステレオ |
研究実績の概要 |
インバースレンダリングの既存手法におけるアプローチとして,反射光輝度を少数のパラメータでコンパクトに表現する解析的反射モデルを用いている点が挙げられる.このような反射モデルを用いるアプローチは,少数枚数の画像という少ない手掛かりからでも反射特性復元を可能にするものの,現状利用されている反射モデルの表現能力には限界がある.そこで,非モデルベースアプローチをとることを考えたが,このアプローチではインバースレンダリングの重要な推定対象である表面法線の高精度な復元が困難になることが予備実験により判明した.そこで,本年度は,非モデルベースとは逆のアプローチを進めて,現状で最も実測に忠実かつ複雑な反射モデルの下で反射特性・表面法線・光源状況を推定する手法を開発した.これは,複数の異なる入射光方向・輝度と固定視点の下で撮影された画像から物体表面の法線または奥行きを復元する照度差ステレオにおいて,不均等拡散面と未較正照度差ステレオを同時に取り扱う手法である.具体的には,既存の照度差ステレオ手法のほとんどは,縮退する場合を除き,任意の入射光方向・輝度列の下で取得された画像列の入力に対応できるように設計されているが,これに対し,この要求を緩和して光源の手動位置決めで各入射光方向を特定の範囲に制限して取得された少数枚の画像を入力とする照度差ステレオ法を提案した.本手法により,撮影時の作業負荷は多少あるものの,不均等拡散面と未較正照度差ステレオを同時に取り扱うことが容易になることを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は反射モデルをまったく用いないアプローチの採用を計画していたが,それでは表面法線の正確な推定精度が得られないことがわかってきたため,逆に既存手法より高精度かつ複雑な反射モデルを用いる方向に方針転換したため.
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今後の研究の推進方策 |
等方性反射と異方性反射を同時に取り扱うインバースレンダリングの枠組みを再構築し,実反射率データベースを用いて有効性を確認する予定である.
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