研究課題/領域番号 |
15K00248
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
鎌田 清一郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00204602)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 高速画像検索 / ビジュアルビッグデータ / 高速特徴記述 / 高速特徴点検出 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、まず相対的位置関係を考慮した階層構造による大規模画像検索アルゴリズムを開発した。複数の空間充填曲線の導入を検討し、これまでのヒルベルト走査型Bag-Of- Feature (HSBOF)の問題点を考察し、Positional Pyramid Representation を導入した新たな方法論を考案した。これは、局所的な特徴を連続走査に反映させるため、4分木生成のときの階層的4分割を繰り返す上で局所領域間の関係を走査パターンによって記述するものである。大規模画像データベース(Caltech256など)を用いた画像検索実験の結果、従来手法であるHS-BoFに対して、さらにmAP指標での精度を12%程度向上させることがわかった。次に、SIFT特徴による特徴点検出および記述に関して高速化を図り、近年着目されている従来手法Spectral SIFT と同等のロバスト性を持ち、Spectral SIFT よりも計算コストが低い特徴点検出・特徴記述法を考案した。具体的には、スケールパラメータを変化させた際のフィルタ関数の値の変動が緩やかである点に着目し、スケールスペースのフィルタ関数をスケールパラメータの M 次多項式で近似する。この近似により、1 画素あたり O(M) の計算コストで特徴点検出・特徴記述ができるようになった。実験の結果、Spectral SIFT と同等のロバスト性を持ち、なおかつ約30%の計算時間の削減を達成した。さらに、深層学習において、Discriminative and Sharable Patch (DSP)を新たに導入した深層学習法を考案し、クラスタリングを導入したオブジェクトマッチング法を開発した。これらの成果は、世界的に権威あるIEEE論文誌、IEICE論文誌や国際会議ICASSP2016において発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
米国IEEEなどの国際雑誌論文への発表を3件、および国際会議への発表を3件行い、査読を含み研究発表の結果から国際的に高い評価を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は上海交通大学電子情報電気工学科馬利庄教授の研究グループとの研究打ち合わせを2回にわたって本学早稲田大学および上海交通大学にて行った。研究交流をさらに進めるために来年度は今年度の研究成果をもとにさらに発展させ、国際雑誌論文や国際会議への発表を推進していく予定である。
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