研究課題/領域番号 |
15K00252
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
堀田 一弘 名城大学, 理工学部, 准教授 (40345426)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 対象計数 / 対象識別 / 対象追跡 / セマンティックセグメンテーション / ディープラーニング |
研究実績の概要 |
対象計数の問題では、対象の見えの変化が精度低下の要因になる。そこで、テスト画像の見えに応じて適応的に予測器を選択する方法を研究した。この研究では、Convolutional Neural Network(CNN)により予測器を複数個作成し、予測器とは別のgating CNNによりテスト画像に応じて予測器を選択する。学習もテストも同じ枠組みで行うため、学習の段階でも人間が介在することなく、gating CNNが見えに応じてどの予測器に学習させるかを決定する。これにより、見えに応じた予測器を自動的に獲得することができ、テスト時にも画像の見えに応じて予測器を選択することができる。実験によりテスト画像の見えに応じた処理の有効性を確認した。 また、畳みこみとプーリングを繰り返すCNNの画像認識での有効性が示されている。高い性能を出す理由は階層的な特徴抽出にあると考えられる。そこで、与えられたデータから識別に有効な特徴量を抽出できるPartial Least Squares(PLS)回帰を用いて階層的に特徴抽出を行う方法を研究した。この方法を対象識別に応用し、階層的PLSの有効性を示した。 実際の環境下での対象追跡では、対象同士のすれ違いや標識等の他の物体により追跡対象の一部が隠されることがある。しかし。従来の対象追跡法の多くは部分的な隠れに弱く、追跡精度が低下する要因になっている。追跡対象が隠れた場合に類似度が低下することに着目し、類似度を用いて追跡モデルの更新を適応的に行う方法を提案した。これをDATと呼ばれる追跡法と組み合わせることにより、高精度かつ高速な対象追跡を実現した。 さらに、通常のRGB画像やLiDARデータから画像中の全画素にラベル付けを行うセマンティックセグメンテーションの問題にも取り組んだ。CNNにより得られた特徴の類似度と周辺との関係性を用いることにより精度を向上させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象計数、対象識別、対象追跡、セマンティックセグメンテーションなどの様々な画像認識問題の取り組み、有効性を示した。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き対象識別、対象計数、対象追跡、セマンティックセグメンテーションの問題に取り組みたい。また、新たに動画像認識の問題にも取り組みたいと考えている。これらの問題に対し、テスト画像に応じた適応的な処理を導入することにより、精度の向上を図る。
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