最終年度なので、提案した画像認識法を様々な分野に応用した。例えば、写真測量分野に応用し車に搭載したMobile Mapping Systemから取得されたレーザー反射オルソ画像からセグメンテーションを行った。従来の方法を用いると面積の小さいクラスの精度が低下してしまった。そこで、面積の小さいクラスの精度を上げるためにクラス毎の適切な画像サイズを用いて投票を行う方法や周囲の識別情報を用いて精度を高める方法を提案した。また、航空レーザーから取得した赤色立体地図をディープラーニングを用いてきれいにしたり、赤色立体地図からセグメンテーションを行う研究も行った。さらに、衛星画像から主要道路のみを検出する研究も行った。 また、動画像への応用も行った。まずは動画像中の人や物体の追跡を行った。最近ではディープラーニングを用いた対象追跡の有効性が示されている。昨年度我々が提案した隠れに頑健な対象追跡法とディープラーニングベースの対象追跡法を状況によって使い分ける方法を提案した。世界中で対象追跡の精度評価に用いられているデータセットを用いた実験により提案手法の有効性を示した。また、動画像中の人間の行動を識別する課題にも取り組んだ。時系列情報や局所的な動き情報をうまく利用しながらディープラーングを用いて識別する方法を提案した。HMDB51という人間の51種類の行動を含んだデータセットを用いて評価を行い、提案手法の有効性を示した。
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