研究課題/領域番号 |
15K00261
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
小林 匠 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (30443188)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 特徴変換 / 反転不変 / 固有値問題 / パターン識別 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、一般の特徴量に対する変換として、不変性に着目した変換手法に関する研究を行った。例えば動画像中の人間の行動を識別対象と考えると、カメラの向きや対象となる人物の動作方向が逆転することにより、左右(ミラー)反転といった変動が頻繁に生じる。そのような変動が生じた動画像では、そこから抽出される(局所)特徴量もその変動の影響を大きく受けてしまい、識別性能の低下を招いてしまう。そのため、特に動画像では左右反転に対して「不変な」(=特徴量の値が変わらない)特徴表現が必要となり、ここではそのような不変表現を特徴変換の枠組みで実現する技術を開発した。一般の局所特徴量として、従来から広く用いられるMBH(=motion boundary histograms)やHOF(=histogram of oriented flow)などの人手により設計されたHand-crafted特徴量や、近年注目を集める深層学習による畳み込みニューラルネットワークを用いた学習的に獲得される特徴量も対象とし、開発した技術はそれら異種の特徴量に対しても統一的に適用可能となっていることに大きな特色がある。数理的観点から不変性の表現を固有値問題へと定式化し、固有値問題を解くことで得られる固有ベクトル及び固有値を利用することで変換を実現した。ここでの実際の変換は線形演算で記述されるため、低計算コストで変換が可能となる実用上も効率の良い技術となっている。動画像に基づく行動認識タスクにおいて、開発した変換手法を適用することによる性能向上も定量的に示すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画での想定を上回り、不変性に基づく新たな変換手法を研究開発することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も一般形式での特徴量に対する変換手法の開発を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由 次年度にて高額なGPUボードを購入するため。 計画 大規模データを扱うためのGPUボードを購入する予定である。
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