研究課題/領域番号 |
15K00291
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
大西 克彦 大阪電気通信大学, 総合情報学部, 准教授 (20359855)
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研究分担者 |
登尾 啓史 大阪電気通信大学, 総合情報学部, 教授 (10198616)
小枝 正直 大阪電気通信大学, 総合情報学部, 准教授 (10411232)
山口 哲 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (30397773)
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 腎手術支援システム / 腎臓CGモデル / 重畳表示 |
研究実績の概要 |
本研究の目的である,安全で正確な腎臓癌(腎腫瘍)摘出のための腹腔鏡手術支援システム構築のために,昨年度作成したプロトタイプシステムを利用した検証をさらに進めた. プロトタイプシステムでは,MRIで事前に取得したデータを基に作成した腎臓CGモデルを腹腔鏡カメラによって表示される実際の臓器に重畳して表示し,患部周辺の血管位置などを把握するための術中ナビゲーション支援を行った.腎臓CGモデルは,血管や臓器など各構成要素に分けて作成しており,術中においても任意の構成要素の表示/非表示機能や,半透明表示機能などの表示方法について検証した. 検証では,実際の手術中にシステムを利用し,医師には実カメラ映像とは別の映像として生成された重畳表示画像を提示した.カメラや臓器の移動に伴って変更される実際の臓器に対して,腎臓CGモデルの表示位置を変更する位置合わせは,カメラ画像を基にした画像処理と,執刀医とは別の医師によるCGモデルの操作によって行った.その結果,システムの有用性や課題について検証できた. また,プロトタイプシステムで利用している腎臓CGモデルと実際の臓器の位置合わせ手法は,カメラ画像を基に行っていたが,さらに位置合わせ手法の精度向上のため,腹腔鏡カメラの根元に付けたマーカを3Dデジタイザで認識し,計測されたカメラ先端の位置姿勢を利用する手法についても検討し,模擬実験環境でその精度について検証した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的となる医師の認識能力とコンピュータの情報処理能力の長所を融合したシステム実現のための課題進捗は順調に進んでいるため.
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今後の研究の推進方策 |
術中ナビゲーション支援では,切除前の患部と周囲の血管や臓器などの術野の環境把握が主な目的であることから,腎臓CGモデルと実腎臓との重畳表示手法における位置合わせ手法のさらなる精度向上のための検討を行う. 実カメラからの画像情報を用いた重畳手法については,新たなアルゴリズムを検討する.さらに,カメラの位置姿勢情報を利用した手法との融合についても検討する. また,表示される腎臓CGモデルについても現在利用しているSTLモデルでは細部の表示が簡略化されるなどの課題があるため,別のモデルによる表示手法についても検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた手法とは異なる手法での課題解決を進めることが可能であったため.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度において新たな課題解決のための調査検討と実施のための必要な物品などに充てる.
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