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2015 年度 実施状況報告書

前向きコホート、医療情報、個人の疾患感受性多型情報を統合するオントロジーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K00295
研究機関東北大学

研究代表者

高井 貴子 (五十嵐貴子)  東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 准教授 (60222840)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードオントロジー / 東北メディカル・メガバンク事業 / ゲノムコホート / バイオバンク / PTSD / 緑内障 / 歯周炎
研究実績の概要

東北メディカル・メガバンク事業では、15万人の健常人を対象としてゲノムコホート研究を行い、提供された試料を管理するバイオバンクを構築し、生活環境、健康情報、ゲノム情報を統合したデータベースを構築する。本研究では、これらの収集情報の概念化を行いオントロジーを構築することにより、本事業で収集する情報を横断する意味検索を可能とし、情報の効率的利用を支援する。
平成27年度はオントロジーの構築を行った。BFOをトップオントロジーとし、既存のオントロジーで定義済みの概念については、その再利用を基本とした。BFO, RO, IAO, PATO, OGMS, OGSF, EFO, MP, HP, GO-BP, UNERON, OMIABISより概念を取得して再構成した。
続いて、被災が発症原因となるPTSD(Post Traumatic Stress Disorder)、および緑内障、歯周炎を対象として、未病から発症に至るプロセスの概念化を行った。疾患の表現モデルは、SmithおよびMizoguchiの定義を基本とし、コホート研究で収集する質問票や検査データ、および生体分子の機能との関係を追加した。Diseaseは Disease Courseにより具現され、DiseaseはAbnormal Stateから構成され、Disease CourseはBiological Processから構成される。続いてPTSD、緑内障、歯周炎を対象として、Abnormal Stateである概念クラス、およびBiological Processである概念クラスについて、既存のオントロジーであるMPおよびGO-BPに対してマッピングを行い、ほぼ全ての概念クラスがマップされることが分かった。MPおよびGO-BPは遺伝子のアノテーションが充実しており、遺伝子の実験データ解析に頻用される。本結果は、遺伝子の解析データからMPおよびBO-BPの推定を介して、疾患の推定が可能となることを示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コホート構築に当たり掲げた以下の課題については、ア、イ、ウについて、概ね解決できた。ゲノム情報に関する考察ができなかったため、エとイの一部については平成28年度に解決を目指す。
ア.アンケート(表現)は、医療領域の表現である所見や診断等と連続した形式化が可能であるか。
イ.アンケート(表現)、対象者の表現型(質)、および個人ゲノムの多型(もの)との関係はどう形式化されるのか。
ウ.未病から発症に至る過程の形式化について、OGMSで定義される疾患関連プロセス概念の構造は十分であるか。
エ.未病から発症に至る過程と、疾患感受性多型および発症リスクについて、関係性を明確化できるか。

今後の研究の推進方策

平成28年度には、構築したオントロジーの活用を進める。東北メディカル・メガバンク事業で保管管理する、15万人分の生活習慣、健康情報、ゲノム情報をインスタンスとして、本オントロジーの構成概念から適切な連結を行う。その結果、全ての情報が正しく分野横断的に検索できるかどうか、検証する。
また平成28年度には、オントロジー構築について論文発表すること、学会で発表すること、に力を入れる。

次年度使用額が生じた理由

国際学会(2016 Joint Summits on Translational Science, AMIA, San Francisco)に参加の予定であったが、本務の都合で参加日程を確保できなかった。

次年度使用額の使用計画

当初の予定に加えて、国際学会(2017 Joint Summits on Translational Science, AMIA, San Francisco)に参加し、本研究成果を発表する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Structural classification of steroid-binding sites on proteins by coarse-grained atomic environment and its correlation with their biological function.2015

    • 著者名/発表者名
      Hori-Tanaka Y, Yura K*, Takai-Igarashi T, Tanaka H.
    • 雑誌名

      Steroids.

      巻: 96 ページ: 81-88

    • DOI

      10.1016/j.steroids.2015.01.015

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of Collaborative Activities with Oxidative Phosphorylation in Bipolar Disorder.2015

    • 著者名/発表者名
      Sawai H, Takai-Igarashi T*, Tanaka H
    • 雑誌名

      Bioinformation

      巻: 11 ページ: 207-216

    • DOI

      10.6026/97320630011207

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Development of an Ontology for Periodontitis.2015

    • 著者名/発表者名
      Suzuki A, Takai-Igarashi T*, Nakaya J, Tanaka H.
    • 雑誌名

      Journal of Biomedical Semantics

      巻: 6 ページ: 30

    • DOI

      10.1186/s13326-015-0028-y

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 前向きコホート、医療情報、個人の疾患感受性多型情報を統合するオントロジーの開発2016

    • 著者名/発表者名
      高井 貴子
    • 学会等名
      2016年度 人工知能学会全国大会(第30回)
    • 発表場所
      北九州国際会議場(福岡県北九州市)
    • 年月日
      2016-06-06 – 2016-06-09

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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