| 研究課題/領域番号 |
15K00306
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| 研究機関 | 名古屋工業大学 |
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研究代表者 |
犬塚 信博 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10221780)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 人間関係 / パターンマッチング / 社会ネットワーク / 帰納論理プログラミング |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、人間関係とそこでそれぞれの人々がもつ社会的役割を知識発見、データマイニングのアプローチによって解明する計算機アルゴリズムを与え、実際のデータ等で分析事例を示していくことを目的としている。
２８年度中、社会ネットワーク分析をベースにした研究において関係構築中心性という新たな概念の提出を行ったこと、また、社会コミュニティーのモデル化、個人の行動の分析の点で特に、成果を得た。関係構築中心性は、社会の中で個人が有する他社との関係を構築してゆく力について、直接的にモデル化し、また観測して言うためのモデルであり、２８年度までにこの値をモデル化し、実際の社会ネットワークを観測する研究を行った。数理モデル化等についての今後の研究を見通す成果を得た。また、社会ネットワーク分析の方法をコミュニティ活動のモデル化に応用する研究についてまとまった成果を得、雑誌論文１編の他、数編を発表した。また関連して教育に応用する成果を雑誌論文等に発表した。
帰納論理プログラミングをベースにした研究については、新たな改善について成果発表を行っているが、いくつかの理論的に解決しなければならない課題が見つかっており、応用へのハードルがある状況となっている。ここまでの成果によって可能な事例をまとめ、２８年度中に成果発表を行いたい。
形式概念分析の研究は基礎的解析に集中してきており、いくつかの口頭発表を行った。社会的属性と人間関係の分析についての成果につながっておらず、２９年度の課題である。
その他のアプローチとして、人の行動を直接加速度センサーとして獲得し、これをパターンやルールのマイニングの手法によって分析する方法を新たに展開し、よい成果を得ている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
人間関係のパターンや推移を分析するためのアプローチと計算機科学的方法の開発が目的であり、これらに関して国内の研究会、全国大会等で成果を発表してきている。特に、人間関係の時間的推移を扱うための新たな概念として関係構築中心性を提案し、新たな研究が展開できている。また人間関係の集合体としてのコミュニティーのシミュレーション手法による研究についても成果を得た。さらに、人の行動を加速度センサーによって観測し、これをパターンマイニングの方法で分析する手法についても成果を得ており、研究を当初の範囲をいくらか超えて広げてきている。ただし、形式概念分析に関しては基礎的方法開発の研究に戻っており、人間関係に直結する成果を得られていない。また、帰納論理プログラミングを用いた人間関係分析についても今年度はまとまった成果を得ていない。
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| 今後の研究の推進方策 |
社会関係分析に導入した関係構築中心性にの研究に見込みがあると考えており、焦点を当てて研究を推進する。この方法は社会ネットワークの変化を牽引する個人のモデルであり、また、そうした個人を同定する分析法でもある。こうした観点での数理モデル化を進め、社会ネットワークの動的変化を個人の力によって説明するためのモデル化を目指す。また、帰納論理プログラミングについては、いくつかの課題が残っているが、これまでに実施してきた方法を集約し、ツールとしての完成を目指したい。形式概念分析については、基礎的検討を終了し、人間関係データの分析の成果を得られるよう研究を進める。また、加速度センサーを用いた人間行動の分析については、人の行動のパターン化やグループの行動の分析に焦点を当てて、研究を進める。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当初計画したパターンマイニングアルゴリズムについて、理論面の研究を優先し、実装に従来設備を利用したため。
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| 次年度使用額の使用計画 |
アルゴリズム実装用機材の購入および、論文成果発表のための会議等の参加費、論文別刷り代に使用する。
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