中小企業における「失敗からの学び」のメカニズムを、組織学習の視点から、業務プロセスと心理的な両側面の要因を明らかにしてきた。業務プロセスの視点においては、プロジェクトベースの場合には業績評価を数字ではなく、スキルベースとしていること、失敗から学ぶことをトップダウンで奨励していることなどがあげられる。心理的な側面では、自分の失敗は他人の失敗につながってしまう連帯感が、自分の失敗による恥辱感よりも強いということにある。それは、主に、どのプロジェクトでも類似した仕事の進め方をしていることが、互いに失敗から学ぶ効果につながることをお互いに理解しているからといえる。 その背景としての組織文化は、経験則にもとづく企業風土であり、能力も経験による蓄積によるものと、社員が感じているからということが判明した。
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