研究課題
研究代表者は、立命館大学理工学部に所属の長憲一朗助教、および、理工学研究科機械システム専攻に所属の修士課程学生1名とともに研究を行い、最終年度において以下の研究成果を得た。1.拡張ローレンツ方程式から2進疑似乱数を生成するためのアルゴリズムを高速化し、生成速度を測定した結果、テキスト型平文の暗号化が実用的時間内で実行可能な生成速度であることを確認した。2進疑似乱数列の安全性をNIST SP800-22およびTestU01 Bigcrush test の両者を用いて評価し、これらの統計検定のすべてに合格することを確認した。2.国内の量子通信研究拠点(NICT,北海道大学)と情報交換し、東京QKDネットワークの利用可能性について検討を行い、東京QKDネットワークを利用したストリーム暗号通信に関する実証実験の計画に着手した。量子鍵交換に対する代替技術として、星形ネットワーク型高次元カオス振動子間の部分同期に基づく秘密鍵交換アルゴリズムを開発し、計算機実験を通して機能を確認した。この手法は、従来の公開鍵型および秘密鍵型の暗号通信のいずれとも異なる新しい暗号通信手法である。3.上記研究成果に関連して、英文論文3報および国際学会報告1件の研究発表を行った。また、英文論文1報および和文論文1報を投稿中である。4.星形ネットワーク型高次元カオス振動子を用いて送信者認証、秘密鍵交換、および、暗号化・復号化を一体的に行うストリーム暗号カオス総合システムの開発に着手した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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http://www.ritsumei.ac.jp/se/~tmiyano/index.html