研究実績の概要 |
本研究では,CPG(Central Pattern Generator)と強化学習を用いて,実機の多脚ロボットが障害物を回避しながら目標地点に到達するなどの複数のタスクを遂行する歩行動作の獲得を実現する.そのために,それぞれのタスクを遂行する各行動モジュールをCPGと強化学習を用いて実現する.さらに,行動モジュールの出力を統合する上位モジュールを導入したマルチタスク環境での行動学習システムを構築する.CPGは,生物におけるリズム運動を生成する神経振動子モデルであり,結合振動子系を用いて実現する. 平成27年度において,本研究の第一目的である「CPGと強化学習を用いた多脚ロボットの目標到達の歩行動作獲得(行動モジュール1)」および第二目的である「CPGと強化学習を用いた多脚ロボットの障害物回避の歩行動作獲得(行動モジュール2)」を実現した.平成28年度において,本研究の第三目的である「複数の行動モジュールの出力を統合する機能」を実現するとともに,小型高性能コンピュータRaspberry PiとWebカメラを搭載した自律型四脚ロボットによる行動獲得を実現した.平成29年度においては,本研究の発展として,不整地環境での基礎的な実験について検討するとともに,CPGと深層強化学習を用いて,自律型四脚ロボットが視覚情報のみから障害物を回避しながら目標地点に到達する行動を獲得することに成功した. これらの研究成果に関して,電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌),知能と情報(日本知能情報ファジィ学会誌),ICIC Express Letters, Part B: Applications, Journal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics などに雑誌論文として発表した.
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