研究課題/領域番号 |
15K00373
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
佐藤 美恵 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00344903)
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研究分担者 |
長谷川 光司 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50272761)
橋本 直己 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (70345354)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 感性情報処理 / インタラクション / 拡張現実 |
研究実績の概要 |
本年度は,素手で仮想物体を掴む際の把持知覚を向上させることを目的に,ユーザが仮想物体を掴む際に聴覚刺激を付加することの効果を被験者実験により検証した.聴覚刺激は,文献を参考に,信号音,言語音声,自然音を用意した.そして,聴覚刺激を提示した場合と提示しなかった場合で,様々な形状の仮想物体に対して,被験者に,仮想物体を掴んだ感覚,持っている感覚,移動している感覚,回転させている感覚,放した感覚を評価してもらった. 実験結果より,聴覚刺激を付加した方が聴覚刺激を付加しないよりも評価が有意に(p < 0.01)高いことが示された.特に,聴覚刺激の中では,信号音の評価が高く,信号音の高音と低音とでは,低音の方が高音よりも把持知覚を向上させることが分かった.さらに,仮想物体の形状に着目すると,単純な形状よりも複雑な形状の方が聴覚刺激を付加することによる効果が大きかったことが分かった. これより,ユーザが仮想物体を掴む際に聴覚刺激を付加することにより,ユーザの把持知覚が向上することが示された.今後の課題としては,聴覚刺激の種類を増やすことや,聴覚刺激の提示時間や提示開始時間について,さらに検討することが挙げられた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り,聴覚刺激の付加まで進めることができた.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,視覚と聴覚の感覚間相互作用により,仮想物体の擬似的な触感を提示できるARシステムを開発し,その有効性と適用範囲を検証する.
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