本研究は,イメージ演奏時の機能的ネットワークを抽出し機能を分析した。イメージ演奏という実験パラダイムを用いた脳機能的ネットワークのシステマティックな研究は,これまで行われてこなかった。この実験パラダイムはMRI装置の制約(騒音,不動)の中でも行える実験として考案したものである。被験者がすべて高度な音楽トレーニングを受けた音楽家・音大生であったため,質の高いイメージ演奏ができたと考えている。イメージ演奏時には,演奏プランニングの他に視覚や聴覚情報処理,さらにdefault mode networkの活性化など,様々な内的情報処理がダイナミックに進行していることが示された点は最大の成果であった。
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