脳内における抑制システムを含む調節系としては拡散型で、広範囲の脳領域をまとめて調節する神経回路もしくは局所的な抑制系神経回路の大きく2種類あることが知られている。 そこで実験動物に先天的にストレス反応を惹き起こす捕食者の匂いを用いて、まず広範囲に影響を及ぼすアミン系の変動を調査した結果、脳内ノルアドレナリン濃度の変化が確認され、海馬におけるノルアドレナリン濃度の増加がストレス反応の発現とその調節に重要であることが示唆された。 続いて局所的な抑制システムの関与を検討するため、脳内で最初に匂い情報を受け取る嗅球で遺伝子発現の解析を行ったが、選択的な抑制機構は嗅球には見られないことが示唆された。
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