研究実績の概要 |
本研究課題「やる気・意欲の可視化・数値化に関する研究(若者のモラトリアム脱却に向けて)」を遂行するにあたり、H28年度に引き続き、H29年度も脳波以外に顕著にその特徴が出現する生体情報の獲得し、やる気・意欲レベルを向上させる外的刺激因子の特定をおこなった。 H29年度において、申請者らはアイトラッキングによる注視線情報、サーモグラフィーによる鼻部表面温度と心拍変動を獲得することにより、非接触・非拘束の状態で被験者に似顔絵を描いてもらう実験をおこない、被験者の集中レベルおよびやる気をより高い精度で抽出できる可能性を示した。 これまでの研究成果より、似顔絵の上手な人と下手な人との特徴およびその差異を抽出しているが、さらに、作業時に外部刺激としてテンポの異なる音楽を呈示すると、Fastテンポ(150bpm)とSlowテンポ(75bpm)で有意な差を確認した。このことからFastテンポ音楽の呈示が、やる気・意欲をより向上させる可能性を示した。この成果は若者のやる気・意欲を養生するための第一歩になると考えられる。 これらの研究成果は「視線情報を用いた音楽テンポが似顔絵描画に及ぼす影響の評価」大西厳, 河内綾香, 依藤周, 長谷川輝, 正司強, 第30回バイオメディカル・ファジィ・システム学会年次大会,(2017)において発表、"Examination of Musical Effects on Gaze Patterns in Portrait Drawing", G. ONISHI, A. KOCHI, H. ARAO, S. YORIFUJI, A. HASEGAWA, T. SYOJI, An International Journal of Research and Surveys, Part B: Applications, 9(6), (2018)において公表している。
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