研究課題
本研究は,警察官が作成した通報書および監察医が作成した検案調書の内容を分析することで,死因を特定するためのノウハウを知識化し,知識化した情報から死因究明マニュアルに相当するものの構築を目指すものである.通報書および検案調書の分析は,テキストマイニング技術を用いて実施する.そのための第1ステップとして,何に対して(対象),何をした(動作)という情報を共起関係として的確に捉える事ができるテキストマイニング技術を確立する必要がある.そのため,通報書および検案調書に記載されている文書の構文構造に着目し,どのような係り受けパターンがあるかについて調査すると共に,その知識化に取り組んできた.さらには,通報書に記載されている情報から通報項目を整理し,属性項目を定義すると共に,属性値を抽出し通報書データベースを構築に取り組んできた.また,検案調書より{所見項目,所見結果,結果の表す意味}の3項目をデータセットとして抽出し,所見知識データベースを構築すると共に,検案調書より{検査項目,検査結果,結果の表す意味}の3項目をデータセットとして抽出し,検査知識データベースの構築にも取り組んできた.しかし,これまでの調査および,東京都監察医務院へのヒアリングの結果,専門用語が予想以上に多いという課題が明らかになった.また,その専門用語も,正式名称のほか,略称があること,1つの正式名称に複数の略称があることが明らかになった.それゆえ,まず2015年度は医薬品の製品名や成分の専門用語の整理を中心に取り組んだ.
2: おおむね順調に進展している
研究計画書に記載した計画では,H27年度は通報書データベースの構築を行う事,および,検案調書に記載されている項目から,所見知識データベースの構築および検査知識データベースの構築の構築に着手する事であった.現在の進捗は,研究実績の概要に示す通りの進捗であり,研究計画に記載した通りの進捗である.よって,本研究に進捗は,(2)の概ね順調に進展している,と評価した.
H28年度は,研究計画書に記載した計画では,検案調書に記載されている項目から,所見知識データベースの構築および検査知識データベースの構築の構築を完了させることである.この点に関し,専門用語が予想以上に多いという課題が見えてきた.この点を解決する工夫が必要であると認識している.また,H28年度は,以下の着手する予定である.通報書と検案調書の対応を元に,通報書データベースと所見知識データベースの対比情報を構築し,所見項目見当付知識を構築,通報書と検案調書の対応を元に,通報書データベース・所見知識データベースと検査知識データベース対比情報を構築し,検査項目見当付知識を構築,検査知識データベース中の検査結果より,否定表現を抽出するとことで絞込検査項目見当付知識を構築,の3点に着手する事である.
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)
Int. J. of Intelligent Systems Technologies and Applications
巻: Vol.14, No.3/4 ページ: pp.188-204
10.1504/IJISTA.2015.074324
International Journal of Computer Applications in Technology (IJCAT)
巻: Vol. 52, No. 2/3, ページ: pp.186-195
10.1504/IJCAT.2015.071980