日本における異状死の死因は,監察医もしくは警察医によって判断される.死因不明を表す“心不全”の割合は,監察医は15.3%,警察医は71.9%と,大きく乖離している.本研究は,この問題を改善するため,監察医が作成した検案調書の内容から死因を特定するためのノウハウを知識化することを目的に実施したものである. 本研究の内容は,死因究明知識を抽出してデータベース化する知識構築部と,この死因究明知識との照合を行う知識照合部からなる.本研究では,入浴時およびその前後における事例にて研究成果を上げると共に,その手順を応用した多くの研究成果から,本提案手法が他の死因究明でも適用できる可能性を示唆できた.
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