研究課題/領域番号 |
15K00420
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岡 瑞起 筑波大学, システム情報系, 准教授 (10512105)
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研究分担者 |
池上 高志 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10211715)
橋本 康弘 筑波大学, システム情報系, 助教 (10376494)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ソーシャルメディア / ソーシャルタギング / Yule-Simonモデル |
研究実績の概要 |
フェイスブック, ツイッター,インスタグラムといったソーシャルメディアは、情報共通ツールとしてその役割を確立している。これらのソーシャルメディアによってさまざまな事象に人々がどのように反応しているかを観察することが可能となった。実際、ソーシャルメディアは、集団行動や集団注意の創発ダイナミックスを研究するためのプラットフォームとして盛んに用いられている。 2016年度は、タグの使われ方や新しいタグの生み出され方に注目した解析を行った。これまでの研究でYule-Simonの結果と実データの振る舞いを比較すると、ズレが生じることが観測されていた。そこで、タグが使われるメカニズムに言及するYule-Simonモデルをベースとしたモデルの改良を行った。提案した改良モデルを用いると、より実データと近い結果を得ることができた。 また新たなタグの生み出され方について、ユーザのネットワークを構築し分析を行った。その結果、新しいタグは、ネットワークの中心(コア)ではなく、周辺(ペリフェラル)で生み出される傾向が強いことが分かった。 上記のデータの解析には、主にTunnel株式会社が運営するサービス RoomClip (ルームクリップ)(http://roomclip.jp/)を対象に行った。成果として、タグの使われ方のメカニズムについて記述した論文が、International Conference on Computational Social Science (IC2S2 2017) に採択されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タグの使われ方のメカニズムについて記述した論文が、International Conference on Computational Social Science (IC2S2 2017) に採択された。
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今後の研究の推進方策 |
29年度は、ソーシャルタギングで語彙が生み出されるメカニズムについて更に分析し、モデルを提案していきたい。具体的には、これまで提案しているモデルでは捉えきれていない実データの挙動は、バースト的に投稿が集中して行われる現象として考えることができる。このバーストを捉えるようなメカニズムをモデルに取り込み、予測といった応用へと繋げていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ分析結果をデータベース化するための人件費を確保していたが、データ容量が想定したよりも少なかったため人件費に未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
データ解析等で新たにデータストレージが必要になるため、未使用額はその経費に充てることにしたい。
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