研究課題/領域番号 |
15K00421
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
横山 昌平 静岡大学, 情報学部, 准教授 (20443236)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ソーシャルデータ |
研究実績の概要 |
平成28年度においては、ソーシャルデータからトリップパタン(ルート)の抽出を行い、ウェイポイント(立ち寄り地点)の性質を分析するためのアルゴリズムに関して研究を行った。これにより、人の、時間・場所・トピックの三次元空間に写像したソーシャルデータ分析が可能となる。 研究成果の概要として、研究課題の一つを具体的に説明する。近年、SNSの流行とともに、旅行中の行動がTwitterやFlickrを通して共有する事が流行となっている。特にスマートフォン等で自分と観光名所を撮影して、SNSにアップロードする「自撮り」は、若者たちの観光の新たなスタイルとして広く認知されている。我々はこの「自撮り」に着目し、有名な観光地の中で、自撮りに適したスポットはどこであるかを分析し、またそのスポットを巡る為の最適なルートを推薦する技術を研究した。SNS世代のユーザは、冊子としての観光ガイドブックを使ったトップダウン方式ではなく、TripAdvisor等のSNSを通じたボトムアップ方式で観光情報を得る事も多く、観光行動を行政は把握しにくいという問題があった。これに対し、「自撮り」というとりわけSNSユーザに特徴的な行動情報をSNSから抽出する手法を実現する事により、SNSを観光情報に関する「新たなメディア」として利用できる可能性を示した。 また、新な取り組みとして、これまでに得た分析アルゴリズムを、アクティブラーニングにおける会話ログや科学技術データに応用する事で、アルゴリズムの一般化を目指した。まだ、それら分析技術の実現とともに、ドキュメント指向データベース、グラフデータベース、配列データベース等、様々な「NoSQL」データベースを、我々の分析システムに組み込んだ。この事は、包括的なソーシャルデータ分析基盤の実現につながる布石となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本課題を基課題とし同時に国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)に採択され、平成28年10月より在外研究を行っている。本課題に関連して、国際的な協力体制を築きつつあり、研究進捗としては当初予想通り、また当該課題の国際的な影響としては、予想よりも大きな進展があったと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、種々の分析アルゴリズムのさらなる高精度化・高効率化とともに、種々のアルゴリズムを実行する共通基盤の実現に関して注力する。また、現在、本課題を基課題として、国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)に採択されたプロジェクトにて在外研究を行っており、ソーシャルデータ分析における国際的な協力体制の構築をめざす。
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