研究課題
視覚障がい者はWebページの読み上げソフトウェアによる音声情報に頼ることが多い。音声によるWebページ閲覧は、①SoftwareがHTML-FileをSequentialに読むため情報の提示順序が一意になること、及び②意味論的にTag付けされた見出し語句を説明・強調して読み上げると共に情報をスキップする際の目印にすること、の2つの点で晴眼者の閲覧とは大きく異なる。前年度までの調査では、病院毎にWebページ上の情報項目の提示順序と用語にかなりの差異があり、初見の利用者を迷わせる原因となっている。また見出しTagが適切に配置されていないため、特定の項目への到達までに時間や手順の掛かるWebページも少なくないことが判明している。これらの問題を解決し当事者にも晴眼者にも利用しやすい医療機関Webページ標準仕様案を提案するために、特に操作性と理解し易さに大きく関係する①情報提示の順序を決めるための情報項目・機能のニーズ、および②見出しTagの付け方、に焦点を絞って利用者側の意見を電子メールを用いたアンケートおよびユーザのWebページ操作の記録(ビデオ撮影)から調査した。その結果①については受診(診療内容、アクセス、連絡先)に関するニーズおよび情報を探すためのサイト内検索機能のニーズが高いことが判明した。また②については特に30歳以上の年齢層に大きな文字の見出しをつけた方が読み易いとの評価を受けるが、その分スクロールが多くなると操作し易さの評価が低くなる傾向が見られた。以上の結果から標準仕様案および標準Webページの実装案を作成した。また関連分野として、IT機器を用いた際の文字の見え方、視覚障がい者の自立を促すIT機器の利用法の研究、および緑内障の治療の研究を併せて遂行し、緑内障により視野を失った患者にとっても参照しやすいWebページの条件についてのアイデアを得た。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
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http://medinfo.hiroshima-u.ac.jp/WebAccessibility/index.html