研究課題/領域番号 |
15K00446
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
林 正治 国立情報学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 特任研究員 (90552084)
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研究分担者 |
高田 良宏 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 准教授 (30251911)
堀井 洋 合同会社AMANE, 調査研究ユニット, 代表社員 (40372495)
山下 俊介 北海道大学, 総合博物館, 助教 (50444451)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 研究データリポジトリ / 学術資源 / 機関リポジトリ |
研究実績の概要 |
本研究は、研究データリポジトリにおけるメタデータの版管理手法およびバージョン管理された研究データ引用手法の確立を目的としている。 まず、データの引用手法である。データ利用者側からすると、研究のエビデンスとなるデータの利用範囲は研究分野やその視点の違いにより異なる。一方、データ提供者側は、利用範囲の差異に関わらず、利用されたデータに対する引用が適切であることを重要視する。そのため、データ引用方法はデータ提供者側が定めることが望ましい。DataCiteなどはランディングページで引用方法を明示するよう定めている。このことからも、データ提供者が引用手法を定めるモデルがよいと考えられる。 つぎに、版管理である。従来の研究により、コンテンツおよびメタデータ双方の版管理が重要であることがわかっている。今回の研究により、利用者・管理者で求める版管理のタイミングが異なることがわかった。利用者は、自身が利用した時点から変更されているかが重要であり、管理者は些細な変更もすべて記録したいと考える。以上により、コンテンツおよびメタデータの変更履歴はすべて記録し、版更新は出版時に実施するのが適切との結論にいたった。 識別子については、全ての版に付与するのが望ましい。利用者に対しては、引用した版に関する版情報を適切に提示する必要がある。識別子はコンテンツおよびメタデータの双方に付与する必要がある。DOIのような永続識別子は、すべての版に付与する必要はなく、引用対象が識別できればよい。引用日時の情報から当時の版にアクセス可能であればよいとの結論にいたった。 最後に、実装手法である。研究当初はMementoの利用が適していると考えていたが、それを拡張したSignpostingを検討する必要の認識に至った。COARのNGRの議論が示すように、データ引用手法については、人間と機械の双方が利用しやすい必要がある。
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