研究課題
本プロジェクト「公立図書館という空間に関する歴史横断的研究」は、公立図書館という空間に関する基本的な認識が、(1)「1890年代」、(2)「1960年代」、(3)「21世紀」という3つの時期に大きな転換があったという仮説の実証を目的にしている。平成27年度の研究は以下であった。(1)「1890年代の図書館空間」、(2)「1960年代の図書館空間」、(3)「21世紀の図書館空間」について、各担当者は各自の課題について資料の収集を中心に研究の具体的な構想を練り上げる。特に(1)「1890年代の図書館空間」の研究を先発させ、28年度前半には完成の域にまで高める。平成28年度は(1)について単著『アメリカ大都市公立図書館と「棄てられた」空間:日刊新聞・階級・1850-1930年』を刊行し、この部分の研究に一定の区切りをつけた。上海市図書館学会から招かれ、5月に招待講演「21世紀のアメリカ公立図書館の動向」、9月には査読雑誌『図書館界』に「ウェイン・A.ウィーガンドと文化調整論:図書館史研究の第4世代」を発表した。引き続き29年度に向けて(2)(3)について、9月に国際図書館フォーラム(京都大学)、3月に研究会(明治大学)を開催した。そこでは連携研究者の吉田右子(筑波大学)、中山愛理(大妻女子短期大学)、久野和子(神戸女子大学)などが発表を行い、研究の進展状況を具体的に示すとともに、相互批判を行った。最終平成29年度には(2)(3)の成果として『現代の図書館・図書館思想の形成と展開』を8月に上梓し、9月にはその合評会も兼ねて国際図書館フォーラム(京都大学)を開催した。同書には上記の連携研究者の論文を掲載している。また平成30年3月には研究会(明治大学)を開催し、そこでは上記の連携研究者などが参加し、本プロジェクトについて全体的な総括を実施した。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件) 備考 (1件)
『図書館界』
巻: 69巻6号, 2018年3月 ページ: 340-356
巻: 69巻6号, 2018年3月 ページ: 326-339
巻: 69巻5号, 2018年1月 ページ: 272-287
10.20628/toshokankai.69.5_272
『同志社図書館情報学』
巻: 27号, 2017年11月 ページ: 1-25
10.14988/pa.2017.0000016826
巻: 69巻3号, 2017年9月 ページ: 170-185
10.20628/toshokankai.69.3_170
http://www.educ.kyoto-u.ac.jp/~lib-sci/kawasaki/k-index.htm