図書館の利用や読書に関する議論は,実態を把握することなくされてきた。この研究の目的は,図書館利用や読書を広い視野から定量的に知ることである。SSJDA(Social Science Japan Data Archive)の二次分析に基づくと月1回以上の公共図書館利用者は13.6%だった。大学図書館では,二つの大学図書館の入館帯出の記録分析では学生が利用の中心であり,帯出の9割は専門書だった。また,オンライン調査では読書習慣のある日本人は,4割だった。最近読んだ本の6割は小説である。公共図書館の利用は約15%の住民に支えられている。読書冊数は減少しており日本では読書は娯楽とみなされつつある。
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