研究課題
本研究の目的は,糖尿病に関する知識とデータを包括的に記述し,分子レベルの現象と深く関係する知識と,身体を全体として捉える知識を統合すること,そして,これらの異なる視点の知識の関係性を定量的に解析し,視点間の相違点や接点の定量的な計測および評価方法を確立すること,である.さらには,異なる視点に基づく知識体系を統合する方法の確立も目的とする.平成29年度は,これまでに続き,(1) 糖尿病に関する治療方法,症状および診断方法,現時点で疾病に関係すると考えられている遺伝子についての知識およびデータの収集と,(2) 身体全体の視点から捉えた糖尿病の症状への影響についての知識およびデータの収集,を継続的に実施した.これらの記述に用いる表現モデルは,複数の観点に基づく記述を統合し,かつ新たな視点によって対象を捉えるための基盤となる.複数の視点は,遺伝子や分子レベルの現象を中心に捉える記述と,身体全体の記述のように,記述対象に直結している視点以外に,モデルに組込まれている内容の組み合わせによって生じる,派生的な視点も存在する.実際に利用時には,後者の派生的な視点の方が有用であり,新規の視点を連鎖的に生成することもある.このような要求を満たすために,記述モデルの改良を行なった.特に,新規視点の生成が柔軟にできるように要素の表現方法を新たに考案した.このことによって,対象とする現象の境界線の有無,複数の要素を組み合わせや,従来の位置付けでの階層レベルの上下,そして記述の抽象レベルの大小に応じて,従来モデルよりも自由に記述することが可能となった.本研究のモデルの特徴である,複数の視点を内在でき利用者の要求に応じて適切な視点で表現することができる利点をさらに拡張することができた.
2: おおむね順調に進展している
当初の計画にあるように,糖尿病に関する治療方法,症状および診断方法,現時点で疾病に関係すると考えられている遺伝子についての知識およびデータの収集と,身体全体の視点から捉えた糖尿病の症状への影響についての知識およびデータの収集,を行った.また,新たな記述モデルを提案した.
糖尿病に関する治療方法,症状および診断方法,現時点で疾病に関係すると考えられている遺伝子についての知識およびデータの収集と,身体全体の視点から捉えた糖尿病の症状への影響についての知識およびデータの収集,を引き続き行う.また,文章に対象内容が含まれている可能性がある記述部分を自動的に検出する方法を検証する.さらには,新たに考案した表現モデルに適合するように,これまでに構築した複数の観点に基づく記述を統合する作業を行なう.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件)
SICE Journal of Control, Measurement, and System Integration
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Human Interface and the Management of Information: Supporting Learning, Decision-Making and Collaboration
巻: 10274 ページ: 390-402