本研究の目的は,糖尿病に関する知識とデータを包括的に記述し,分子レベルの現象と深く関係する知識と,身体を全体として捉える知識を統合すること,そして,これらの異なる視点の知識の関係性を定量的に解析し,視点間の相違点や接点の定量的な計測および評価方法を確立すること,である.さらには,異なる視点に基づく知識体系を統合する方法の確立も目的とする.これまでに続き,(1) 糖尿病に関する治療方法,症状および診断方法,現時点で疾病に関係すると考えられている遺伝子についての知識およびデータの収集と,(2) 身体全体の視点から捉えた糖尿病の症状への影響についての知識およびデータの収集,を継続的に実施した.これまでに引き続き,糖尿病に関する治療方法,症状および診断方法,現時点で疾病に関係すると考えられている遺伝子についての知識およびデータの収集と,身体全体の視点から捉えた糖尿病の症状への影響についての知識およびデータの収集,を行った.また,これらのデータを提案したモデルを用いて記述した.さらには,要素の記述の積重ねによるボトムアップの記述と,全体的な記述から要素の記述へと進むトップダウンの記述の接点としての要素を見出し,その共通対象物を中心とした新たな視点に基づく記述を進めた.これまでに構築してきた知識基盤の評価過程で,リゾームに類似した構造のモデルへの導入と,モデル全体の時系列解析の方法を構築することで,当初計画では予定しなかったsystem of systemsとして扱うことが可能となり,1つのシステム内の要素の変動がどのように他のシステムへ波及するかの解析方法が見出した.機能単位および視点単位でのシステム間の変動についての解析方法の検証を行なった.また,西洋医学と東洋医学の記述であるボトムアップとトップダウンの記述の統合を実施し,これらの接点に基づく視点による表現の特性を解析した.
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