研究課題/領域番号 |
15K00466
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡本 和也 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60565018)
|
研究分担者 |
黒田 知宏 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10304156)
田村 寛 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40418760)
加藤 源太 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20571277)
浦西 友樹 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00533738)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 医療情報 / 診療情報 / 検索技術 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、診療情報における重要項目の算出、自然言語記載の診療文書からの情報抽出、診療情報の俯瞰的提示手法の開発を目標として研究を行った。 診療情報における重要項目の算出では、機械学習手法を利用し、診療情報を根拠データとした判定問題を設定して解くことで、どの診療情報が判定にどの程度寄与しているか算出した。具体的には、レセプトデータを用いて、DPCコードを判定する問題を解くことで、レセプトデータ種別の重要度を測ることを試みた。また、診療情報間の関連性から重要項目を算出するという手法も検討した。具体的には、重要情報が含まれていると考えられる退院時サマリと各診療情報を紐付けることで、紐づく診療情報の重要度が高いものと仮定し、各診療情報別の重要度の算出を試みた。 自然言語記載の診療文書からの情報抽出を行うにあたっては、医療文書の特殊性のため、辞書の作成を行う必要がある。そのため、病院情報システムのマスタテーブルからの単語抽出や診療文書からのn-gram法を利用した単語抽出を行い、辞書の作成を試みた。 診療情報の俯瞰的提示手法の開発では、数値情報を扱う俯瞰的情報提示手法として、グラフが考えられるため、各種の数値情報で表される診療情報にどの種類のグラフが最も向いているのか、また、どのような情報を重ねあわせることで数値情報の理解が進むのか検討を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度に予定していた内容は、診療情報における重要項目の算出、自然言語記載の診療文書からの情報抽出、診療情報の俯瞰的提示手法の開発の3項目であり、それぞれの項目について、手法の開発、実験の実施、結果の取得ができているため。
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年度には、平成27年度で実施した診療情報における重要項目の算出、自然言語記載の診療文書からの情報抽出、診療情報の俯瞰的提示手法の開発の3項目を引き続き実施する。 特に、初年度に自然言語記載の診療文書からの情報抽出のために作成した辞書を用いて、自然言語記載の診療文書を俯瞰的に提示する手法の開発を進める。 その他、診療情報における重要項目の算出では、初年度の手法に対して、タイミング情報を考慮した手法を考案し、タイミング情報を判定問題のデータ項目として追加する。そして、タイミング情報も考慮した重要度を算出することを試みる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
開発したアルゴリズムを当初購入を予定していたコンピュータで実行する予定だったが、アルゴリズムの求めるコンピュータの性能が想定よりも低かったために、他のコンピュータで実施することが可能であった。そのため、コンピュータの購入費を繰り越すこととした。
|
次年度使用額の使用計画 |
初年度のアルゴリズムを改良し、入力項目を増やしたアルゴリズムとすることで、必要となるコンピュータ性能が高くなるため、コンピュータの購入費に当てる予定である。
|