研究課題/領域番号 |
15K00468
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
田畑 暁生 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (20283848)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 地域情報化政策 |
研究実績の概要 |
本年度も前年度に引き続いて、条件不利と思われる地域の中から様々な状況を勘案して地域を選び、現地の役所・役場やケーブルテレビ等に赴いて、インタビュー取材や資料収集を中心に行った。個別の事例については後で論文等にまとめることとして、ここでは基本的には控えたい。その代わりに、取材の過程で感じた一般的な事柄を書かせていただく。 地域情報化制作は1980年代から始まった、ある意味息の長い政策であるが、残念ながら、地方自治体の職員にとって、総務課や企画か、あるいは情報政策課や情報システム課といった「情報」という名称のついた担当課であっても、「地域情報化政策」それ自体に関する認識や意識が相当に薄れてきているのを感じた。あるいは武雄市のような、やや異常とも言える事例のみが知られていたりする。これは、それを主題として研究する我々研究者にとっても、いわば言葉が通じなくなる「ゆゆしき事態」と言える。もちろん、「地域情報化政策」という言葉が通じなくなっただけ、という言い方もできる。ICTを使って地域に寄与しようという方針をいまだに堅持されているのだから。例えば、近年流行となった「IoT=モノのインターネット」を地域開発に生かそうという政策は、総務省[地域IoT実装推進タスクフォース]、経済産業省「地方版IoT推進ラボ」といった取り組みが2016年から始まっており、その意味では「地域情報化政策」が続いていると言える。 地域情報化政策の方針を示す「地域情報化計画」への取り組みも低調である。郡山市、伊那市、妙高市、井原市などごく一部の自治体のみが数年ごとに「第○次地域情報化計画」を現在も作り続けている。また熊本県山都町のように、今から初めて地域情報化計画の策定に取り組む自治体もある。しかし、北海道の雄武町のように、いったん地域情報化計画を作ってもそれが後に全く引き継がれない自治体も多いのである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は計画書にもある通り、現地への取材で知見を得ることを中心としているが、家族のプライベートな理由により、思うように地方に取材に行くことができなくなってしまい、そのために研究がやや遅れている。したがってもう一年、研究期間を延長することにした。
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今後の研究の推進方策 |
遅れている現地調査を平成30年度も継続して行い、予定を完遂したい。その後、一部は既に論文「村の地域情報化政策」として公表しているが、それ以降の部分についても論文もしくは単行本の形でまとめて公表したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
家族ノプライベートな理由によって、思うように地方出張ができなくなり、予定から遅れたため。
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