研究課題/領域番号 |
15K00474
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研究機関 | 国際大学 |
研究代表者 |
庄司 昌彦 国際大学, 付置研究所, 主任研究員 (50399771)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | オープンガバメント / オープンデータ / ガバナンス / 地域情報化 |
研究実績の概要 |
ガバナンス論における地域情報化プロジェクトの理論的位置づけの整理のため、Gray(2014)の枠組みを援用し、日本におけるオープンデータ活用をめぐる動向をまとめた。この枠組は(1)公共部門情報(PSI)・オープンデータと経済成長、(2)イノベーション・見えざる手と「プラットフォームとしての政府」、(3)透明性・効率性・公共部門改革とネオリベラリズム、(4)オープンソース・オープンアクセスとシビックハッキング、(5)アドボカシーとジャーナリズムのためのオープンデータ、という5つの「スレッド(筋道・系譜)」がオープンデータにはあるというものである。Gray(2014)の枠組みは世界的なオープンガバメント・オープンデータ活用の動向の整理に優れており、日本の状況にもかなり適合するが、特に日本においてはいくつか「スレッド」を追加する必要があり、そのひとつが地域情報化の系譜である。この成果は社会情報学会2015学会大会にて「日本におけるオープンデータ」の系譜学に向けてと題し報告した。
先進事例におけるヒト・モノ・カネ・情報リソース活用の中長期的変容の把握とベースとなる理論の整理に向けては、文献調査を中心に進めた。ヒトについては複数のコミュニティに所属する「分人」の観点、モノについては「共有・シェア」の観点、カネについては「新豪族」と呼ばれる人々への着眼を得た。また上記4つのリソースに「時間」の観点を加えることを試みている。
地域SNS運営者等のオープンガバメントプロジェクト等への移行状況を含む中長期的変化の分析については、2016年度に予定しているアンケート調査に向け、当事者等との意見交換を通じて準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先進事例地域における現地訪問調査を十分には実施できていないが、研究の深まりという観点では順調に進展しているため、「おおむね順調」といえる。
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今後の研究の推進方策 |
2016年度は対象地域における現地訪問調査を3地域で実施する。また、全国の地域SNS運営者/運営経験者に対するアンケート調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
文献による調査を中心に進め、対象地域での現地訪問調査やそれに伴う文献の入手等が遅れているため。
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次年度使用額の使用計画 |
現地訪問調査は2016年度に行う予定である。
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