研究課題
本研究では,専門的なアドバイザーがいなくても正しい手洗い方法の学習が効率的に行える支援システムの開発を目的とする.本研究では,正しい手の洗い方を6パターンに分類し,手洗いの様子を撮影した映像を解析することで,すべての洗浄パターンが適切に,かつ十分な時間で実行されているかを検証し,学習者に対して適切なアドバイスを行える支援システムを開発する.学習者は実環境にて撮影した手洗い映像をシステムに転送するだけで,無意識に洗い残すケースを格段に少なくすることができるだけでなく,あたかも専門家に指導を受けたかのような正しい手洗い方法を身に付けることができ,インフルエンザや食中毒等の重篤な病気の予防にも繋がる.平成28年度までに,個人差による手洗い動作の揺れを許容した支援システムを開発した,具体的には,手の重心の動き(ぶれ )に着目し,個人特有のぶれを従来の映像特徴量から間引くことで個人差による揺れを許容した実用性の高いシステムを開発した.更に,手洗いの際に使用する石鹸や洗剤等による泡(ノイズ)が精度に支障をきたすといった問題点に対処するために,学習モデルと入力特徴量との類似度を計算する距離尺度にノイズに頑健な判定システムを開発した.平成29年度はシステムの統合化,総合的な評価,及び研究成果の取りまとめを行なった.具体的には 下記の項目を実施した.1.統合化システムの構築と評価実験:各モジュールを統合し,手洗い学習支援システムのプロトタイプ版の実験評価を行った後,大規模システムへの改良及び実験評価を行った.2.大規模サーバの構築:手洗い学習支援システムのプロトタイプ版を大規模データにも適用できるようにサーバークライアントシステムに拡張した.3.研究報告書の作成:平成28年度以降の研究成果を国内学会,国際会議にて研究発表を行った.また,研究成果をまとめ,情報処理学会への投稿準備を行った.
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IEICE Transactions on Information and Systems
巻: Vol.E101-D, No.4 ページ: 874- 883
https://doi.org/10.1587/transinf.2016IIP0023