研究課題/領域番号 |
15K00484
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
根本 淳子 愛媛大学, 大学連携e-Learning教育支援センター四国愛媛大学分室, 准教授 (80423656)
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研究分担者 |
高橋 暁子 徳島大学, 総合教育センター, 准教授 (20648969)
竹岡 篤永 高知大学, 大学教育創造センター, 助教 (30553458)
仲道 雅輝 愛媛大学, 総合情報メディアセンター, 講師 (90625279)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | リフレクション / RMモデル / ルーブリック / 自己調整 |
研究実績の概要 |
本研究は、学習におけるリフレクション活動に焦点を置き、①学習者の成功体験と失敗体験とを併せ持つ架空人物のストーリー集「リフレクションメタモデル(RMモデル)」と、②RMモデルを通じて成功的学習とは何かを学習者自身で確認するための「学習活動評価ルーブリック」を開発する。これらの開発物を提供することは、すなわち、学習自身の学習活動への気づきと改善点を考える”場”の提供にあたり、開発物を活用した振り返り活動を通じて、学習計画の立案・修正などをはじめとする自己調整スキルの向上を狙う。 初年度は本件研究の中核であるRMモデルとルーブリックの開発に焦点を当て、RMモデルとルーブリックの個々の内容と併せて、RMモデルとルーブリックの相互関係について検討した。RMモデルを作成するための、情報収取うとしてストーリーづくりに必要なインタビューを数件実施した。個人の経験や考え方により、様々な気づきがあることが分かり、一般化することは困難であることを再確認したが、ストーリーに活用できそうな事例を収集することができた。併せて、過去の振り返り事例をもとに、ある活動に特化した、RMモデル用ストーリーを開発した。活用はできそうであるが、その利用タイミングは検討すべきであるという判断に至った。 学習活動評価ルーブリック開発では、初年度はオンライン学習者コンピテンシーの自律的な学習者に関係する項目を中心に作成し、完成版を目指すのではなく、必要最低限の情報で機能するツールとしての完成を重視した。ibstpiオンライン学習者コンピテンシーの日本語を準備し、本コンピテンシーを中核に据えた仮のルーブリックを作成した。 現在、この二つの成果を統合して、実際に仮運用することを検討している。運用することによって、自律的学習者の養成のための新たなリフレクション手法として提案するための手がかりをつかむ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は研究の基盤となる、RMモデルとルーブリックを作成することが大きな課題であった。インタビューや文献調査を通じた結果を踏まえて、RMモデルとルーブリック両方のたたき台まで作成することができた。予定ではRMモデルを先に構築し、その後ルーブリックを作成していくことを想定していたが、実際に取り組んで見て、ルーブリックを先に作ってから、RMモデルを改訂していくことが望ましいと考えている。両成果物とも改善の余地はあるが、本年度作成する予定であったベータ版としては完成できた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、作成したRMモデルとルーブリックを数回のレビューを通し、さらに改善していく。実際の運用シーンをより具体的に設定し、実運用を意識したツールにもっていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー調査の回数が、1回の調査で複数人実施することができたため、減った。
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次年度使用額の使用計画 |
今回残った予算は、来年度の調査費に充て、インタビューを実施する。
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