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2015 年度 実施状況報告書

静物鉛筆デッサンの自動評価モデルの定義と学習支援・管理システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 15K00496
研究機関横浜美術大学

研究代表者

古性 淑子  横浜美術大学, 美術学部, 准教授 (40312152)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード鉛筆静物デッサン / 主観評価 / 評価軸定義
研究実績の概要

研究計画にある通り、デッサン画を100枚デジタル化し、研究のためのデータベースと研究環境の整備を行った。個々のデッサン画に対して主観評価項目を定義し5段階で点数化を行っている。
評価モデルを作成するにあたり、通常行われているデッサンの主観評価と専門書による評価語の抽出を行い重視すべき項目を明らかにした。得られた項目に対し、得点をつける方式を用いて人による作品評価を実施し、評価の際に使用されている用語や作品の特徴点などの情報を収集分析している最中である。
鉛筆静物デッサンを評価する際、主観評価においてどのような項目について着眼しているのかを明らかにし、大学紀要に研究報告を提出した。主観評価に置いてどのような項目に着眼しているのかを調査した結果、人間がデッサン画像を評価する主観評価は、評価者個々が別々の評価軸を持っているのではなく、同じような技術に裏付けられた評価軸を持っている事が分かった。
本研究においての評価軸は、技術的側面のみならず印象的側面も取り入れて行く予定であるが、印象的側面の中には技術的な側面から影響をうけていると予測できる項目も多く、技術的側面/印象的側面といった区別をおこなわない評価軸を設定することが望ましい。結局のところデッサンの主観的印象のうち多くの物が描画技術によって表されていると考えることができる。本研究における評価軸を5項目定義したことによって、今後はデッサン画から抽出する特徴量を個別に定義して行く予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

評価用データとして予定していた学内に保存されているデッサンを研究用に利用することを想定し、関係部署に事前相談していたが、学内のコンセンサスを得るために長い時間を費やしてしまい、データベースの作成に時間がかかってしまった。
また、当初想定していたデッサン画の特徴量の抽出と項目の定義が想定より難しく、当初計画よりやや進捗が遅れている状態であるが、繰り返し分析を行っている最中であるため、来年度には遅れが取り戻せると考えている。

今後の研究の推進方策

デッサンを行うモチーフは3次元情報である。デッサンに落とし込むにあたって、どのような過程を経て2次元情報に落としこんで描画をしているのか、その過程を調査する。この過程を経ることによって、作品の評価がどのように変化して行くのかを評価実験から明らかにする。
また、一言に鉛筆デッサンといっても、描画を行う際にはさまざま種類の鉛筆を使用している。作品の表現を行う際に使用する筆記具と、作品の評価の関係性を明らかにする事で、評価語との関係性や、評価への影響、作品の仕上がりへの講評をシステムに盛り込む可能を探る。最後に定義した感性情報をデッサン画から抽出する事を計画している。

次年度使用額が生じた理由

研究用データ使用に関する内部コンセンサスがとれるまでに時間がかかり、新規機材を選定するまでにいかず、所有している旧式のシステムを再稼働させ最低限の環境で一時的にデータベースを作成した。同様の理由により学外の有識者に知見を得るところまで辿り着かなかったため、交通費と謝金が手つかずになっている。
研究計画からの遅れが次年度使用額が生じたおもな理由であるが、これらの部分については来年度適切に使用して行き遅れを取り返したいと考えている。

次年度使用額の使用計画

一時的に利用していた旧型マシンのリプレースと開発環境の再検討を行い、適切な機材の購入を計画している。また、海外での学会等での発表を計画、ならびに外部有識者の知見をとりに積極的に学外に出て行くことを予定しているため、謝金や交通費も適切に処理される予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] 「研究ノート」鉛筆静物デッサン評価時の主観評価項目について2016

    • 著者名/発表者名
      古性 淑子
    • 雑誌名

      横浜美術大学 教育・研究紀要

      巻: 6 ページ: 107-112

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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