本研究では、地球海洋に生息する植物プランクトンの光合成速度を、地球観測衛星を用いて推定する新たな技術を開発した。この技術は、生物学と光学と画像処理技術を組み合わせた、これまでにない新たな技術である。この技術を利用して、実際の地球観測衛星のデータを10年間分解析すると、光合成速度やその変動の要因は植物プランクトンの分類群ごとに異っていた。特に、珪藻と呼ばれる植物プランクトンでは、その生物量の変化が光合成速度の変動に重要であるが、藍藻では光生理が重要であると考えられた。ハプト藻は、いわばその中間で、生物量と光生理の両方の影響が見られる結果を得た。このような知見は今までになく、本研究の成果である。
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