研究課題/領域番号 |
15K00529
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研究機関 | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 |
研究代表者 |
野口 泉 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 環境・地質研究本部環境科学研究センター, 課長 (10442617)
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研究分担者 |
木戸 瑞佳 富山県環境科学センター, その他部局等, 研究員 (00393091)
松本 利恵 埼玉県環境科学国際センター, 研究推進室, 副室長 (60415370)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 反応性窒素 / アンモニア分別 / 窒素沈着 / 乾性沈着 / 沈着速度推計プログラム |
研究実績の概要 |
本研究は、アンモニウム塩とアンモニアのより精度の高い分別方法を開発し、先行研究の成果と合わせて反応性窒素成分濃度の測定法を確立すること、また地方自治体の協力を得て、開発した調査方法を全国調査に普及し、同じく先行研究で開発した沈着速度推計モデルを用いて、全国の反応性窒素成分沈着量評価を行うことを目的としている。 平成29年度は、平成27および28年度に行った研究項目①測定法開発について取りまとめを行った。また平成27および28年度に引き続き、研究項目②反応性窒素濃度の全国調査、研究項目③反応性窒素沈着量の評価を実施した。これらの具体的実施状況は以下の7項目の通りである。 (1)研究分担者および研究協力者とともに会合を開き、大気中反応性窒素成分に関する既存の情報について情報交換を行い、研究の進捗状況および今後の課題について討議した。(2)前述の会合と同時に開催された大気環境学会にて反応性窒素成分についての情報収集を行うとともに、本研究に関する発表を行った。(3) 大気中反応性窒素成分の調査においては、全国の地方自治体の環境研究所(北海道立総合研究機構、埼玉県環境科学国際センター、富山県環境科学センター、愛知県環境調査センター、新潟県保健環境科学研究所、兵庫県環境研究センター、和歌山県環境衛生研究センターおよび沖縄県衛生環境研究所)により、全国10 地点(利尻、母子里、札幌、埼玉加須、富山、豊橋、新潟、神戸、海南および辺戸岬)で、通年の連続調査を実施した。(4)また全国環境研協議会の酸性雨・広域大気汚染調査研究部会においては、本方法を採用し、第6次全国酸性雨調査を開始した。これにより、全国的に本方法が用いられることとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、大気中反応性窒素成分である酸化態窒素および還元態窒素成分の精度の高い測定法を開発するとともに、これら成分の大気中の組成および挙動を明らかにし、その沈着量評価を行うことを目的としている。平成29年度は、当初の予定通り次の研究を遂行した。 (1)平成27および28年度調査結果(8地点でインパクタを用いた並行試験結果)について取りまとめを行った。 (2)大気中反応性窒素成分の挙動に関し、最新の研究成果と課題について情報収集を行い、当初予定の全国10地点で、通年の連続調査を実施した。 (3)沈着量評価に必要な気象データの収集を合わせて行い、沈着量評価を進めた。 ただし、最終の成果発表において、当初予定の適切な大きさの学会などでの発表ができなかったことから、H30年度に発表のみを行うこととし、延長した。これらのことから、研究自体は当初予定通りに遂行できたことから、自己点検結果として「②おおむね順調に進展している。」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究においては、当初計画通りに進行し、研究の遂行上は大きな変更や問題点はなかったが、当初予定の適切な大きさの学会などでの発表ができなかったことから、H30年度に発表のみを行うこととし、延長した。なお、本研究の目的の一つである方法の普及として、調査方法の導入の希望があったことから、マニュアル作成等を行った。本マニュアルについて、使用している全国環境研協議会の意見を徴収し、ブラッシュアップを行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年2月21日のJapanFlux集会(つくば)での発表を予定していたが、全国環境研協議会会長賞を受賞し、同日の授賞式に出席するため、学会などでの発表を延期しなければならなかった。なお、この代替として平成30年9月に開催される大気環境学会(福岡)での発表を予定し、121,975円をこの経費に充てることとし、繰り越しおよび延長を申請し、許可された。
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備考 |
現在、所属機関のwebページに研究成果に関するwebページを一部作成。今後内容を追加予定。
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