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2017 年度 実績報告書

福島原発事故後の樹木への放射性物質吸収経時変化

研究課題

研究課題/領域番号 15K00539
研究機関大阪大学

研究代表者

藤原 守  大阪大学, 核物理研究センター, 協同研究員 (00030031)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード福島第一原子力事故 / 飯舘村 / 降下放射能 / 常緑樹の落葉 / 落葉樹の放射性物質吸収 / イメージングプレート / 環境放射能教育
研究実績の概要

2011年3月の福島第一原子力発電所事故により福島県を中心とした広域が放射能汚染された。福島県は70%が常緑樹に覆われた山林である。原発事故により放出され雨や雪に混じって降下した放射能は杉や檜などの常緑樹に葉に降下し付着した。これら常緑樹の葉のサイクルは2-3年でである。我々が研究を開始した2015年には放射能が付着した、これらの葉は枯葉となり、山林地面に落ちたと考えられる。これらの山林表面に落ちた放射性物質は、今後、20年から30年の放射性物質の環境循環の過程に入る。
本研究では、飯舘村南部の高放射線地域2か所(庄司久、沼惇さん所有山林)をサンプル地として選び「落葉樹の葉への放射性物質の時間的経時変化」を測定した。落葉樹の葉を選んだのは、毎年、放射性物質を吸収し葉に蓄積された放射性物質が落葉という事で、吸収放射性物質がリセットされるからである。3年という短い研究期間ではあったが、イメージングプレートを効果的にシールドすることで、低線量放射性物質の葉へ吸収でも、明瞭な画像取得に成功した。調査結果で取得した科学知見は、飯舘村にも報告し、地域住民にも2018年3月に報告した。
本研究では、ほとんど人の入らない放射能汚染地の山林でのサンプル葉取得が必須である。このための飯舘村菅野村長や役場の人の協力も得られ、大阪大学と飯舘村の研究教育協力体制も構築出来た。この協力体制のもとで、大阪大学の約20人の学生に対しての環境放射能教育を飯舘村協力支援の下で大学の正式カリキュラムとして行うようになった。今後、長期にわたる活動は、大学の教育プログラムの一環としても継続可能となったのは大きな成果とも言える。

備考

朝日新聞2016年6月2日夕刊記事「阪大、福島で原発事故を学ぶ」として紹介された。
読売新聞2016年6月22日朝刊記事「阪大が飯舘村で研修へ」として活動が紹介された。
産経新聞2017年11月21日の記事「原発事故の現状学び復興支援」として紹介された。

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公開日: 2018-12-17  

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