研究課題/領域番号 |
15K00544
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
佐藤 斉 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (90285057)
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研究分担者 |
五反田 留見 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (70542281) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | BNCT / 線量モニタ / 電離箱 / 熱外中性子 |
研究実績の概要 |
ホウ素中性子捕捉療法は悪性脳腫瘍や頭頚部がんなどの難治性がんに対して有効な治療法とされる。近年、原子炉を必要とせずkeVオーダーの低エネルギーで、且つ単位面積当たりの中性子数(flux)も多い加速器を用いた中性子場の開発が進められている。放射線治療における投与線量の見積もりは,あらかじめ測定された深部量百分率により計算されるが,この加速器を用いたBNCTでは、深部量百分率の経時的変化を検証することが重要である。加速器BNCTにおける照射場はガンマ線、熱中性子線、熱外中性子線、高速中性子線の放射線混合場であり,各放射線由来の組織吸収線量を分離して測定し、放射線混合場の線質を評価することを可能する線量モニタシステムが必要とされている。本研究では、特に困難が予測されている熱外中性子線測定用として高精度電離箱検出器を開発し、線量モニタシステムを構築する。 これまでに、電離箱の壁材にホウ素を混入した検出器の試作により加工性が高いホウ素入り素材を見出し、電離箱検出器を試作して良好な測定結果を得た。本年度は放射線医学総合研究所低線量棟に設置されているタンデム型ダイナミトロン(HVEE):NSABEEを用いて測定実験を実施した。ポリエチレンファントム内に電離箱を挿入して深さ別に測定し、また同一の位置で金箔法により中性子線束を測定した。また、空気中でビームプロファイル測定を実施した結果、ビーム射出口から850 mmの位置で線量計の間隔が20 mmであれば線量計配置による測定値の不確かさの増加は2%以下であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
開発した熱外中性子線用電離箱の評価実験を実施し、概ね良好な結果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
他の線質(ガンマ線、熱中性子線、高速中性子線)との同時測定によるモニタリングシステムの構築を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
値引き等による差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
翌年度の消耗品経費として使用する。
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