原著論文が課題名「福島第一原子力発電所事故後の福島県北で放射性セシウムに汚染されたサクラ粗皮の除去による除染」で、RADIOISOTIPES66巻(p.311-319)において2017年9月に掲載された。その内容として、サクラ樹皮の場所ごとの放射性セシウム汚染状況を紹介(②期間内に明らかにする知見1)が高く枝の上面からの放射線放出が大きいこと(同3)、その汚染が同じ市町村内でも桁が異なるレベルで場所によって異なること(同1)、樹皮汚染初期に高圧洗浄すれば洗浄の効果が維持されること(同4)、樹皮の汚染は多くが粗皮に止まっていること(同2)、粗皮の放射性物質汚染はスポット状であること、時間が経過した現状では削り取りによる除染が効果的であること(同4)を報告した。さらに、原著論文が課題名「福島第一原発事故による南東北のサクラ粗皮の放射性セシウム汚染についての現状とチェルノブイリ原発周辺のデータからの予測」で、放射線安全管理学会誌に受理(2018年3月26日)された。内容は、採取した粗皮は粒子が細かいものほど汚染濃度が高くなること、樹皮汚染は3年の時間経過で半分以下に低下すること(同1)、ウクライナのチェルノブイリ被災地の放射性セシウム汚染福島のは1/100程度に低下していること(同3、研究方法Iの6)、汚染樹皮からイオン交換態の状態で少しずつ抽出可能なこと、福島原発の汚染地域ではウクライナに見られない強いスポット状の汚染が見られること。また、前述の研究成果について、高エネルギー研究開発機構で2018年3月に開催された環境放射能研究会にて、課題名「南東北とウクライナ北部のサクラ樹皮おける放射性セシウム汚染」で、土壌からの吸収調査の調査結果(研究方法Iの5・6)も含めて発表した。さらに、7月に前述の調査結果について、民間団体主催の講演会(相馬市)で紹介した。
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