研究課題
大気環境中には大気汚染物質やバイオエアロゾルなどの微生物を由来とする浮遊粒子状物質があり人や動物の健康に支障をきたすことが危惧されている。本研究ではバクテリアやウイルスなどの微生物由来成分を含むバイオエアロゾルが浮遊粒子状物質として大気中に浮遊する際、そこに混在する大気汚染物資がこれら微生物の生存、保護に寄与しているのではないかという仮説のもと研究を進めた。汚染物質を含むサブミクロンサイズのエアロゾルにて微生物の不活化への影響について検証を行った。具体的には、環境中の汚染物質として、炭化水素の不完全燃焼から排出される黒煙に着目した。これらが浮遊粒子状物質として大気中に混在する際のバイオエアロゾルへの影響を異なる反応チャンバーにて生存率の違いを検証する実験をスウェーデン、ヨーテボリ大学の共同研究者Hallquist教授らのチームと行った。エアロゾル化されたバクテリアと煤にオゾンを暴露した際、バクテリアのみの場合に比べてより顕著に減少する傾向が見られた。ウイルスのみを使用した実験も萩原教授らと試みたが、再現性が低く安定した結果を得ることができなかった。新規で購入した光学式パーティクルサイザー(OPS)の活用にてより高濃度のエアロゾル測定が可能となった。試験的ではあるが、最終年度の後半にて非結核性抗酸菌などのヒトにて疾病問題とされる細菌に近い種にてモデル実験を行うことができた。これまでの成果を広く報告する意味で、2017年度に酪農学園大学で「第五回:大気エアロゾル公開シンポジウムー黄砂からPM2.5までー」を開催し成果の一部を一般の方にも情報提供することができた。更に、長野県で開催された第11回バイオエアロゾルシンポジウムにても成果を発表することができた。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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