現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、初年度に(1)マクロモデルを用いた水分収支計算を、乾燥地域の実気象データを用いて行い、浸出水の生成期間について予測すること。(4)蒸発が卓越する条件を模擬したカラム装置を作成し、廃棄物の安定化に関する実験を開始すること、としていた。前記したとおり、(1)のついては計画通り進行し、乾燥地域の気象観測地点は18地点を対象に予測計算を実行し、共通の結果を得ることができた。また、米国の埋立地に対して実施したアンケートでは、106通送付の内、回答は7件のみであったが、モデルによる予測結果と同様の傾向を確認できた。すなわち、埋立期間中は浸出水が発生するものの、埋立が完了すると浸出水が発生しなくなること、また、埋立終了後は廃棄物は乾燥傾向になることも確認できた。(4)に関しては、直径15cm、高さ1mのアクリルカラムを3本作成し、内部に途上国の廃棄物を模擬した有機物の多い模擬廃棄物を80cmの高さで充填した。乾燥地域であることから、降雨は与えず、上部にレフランプを設置して乾燥を促進させるようにした。3本のカラムは埋立地の操作条件として、C1):底部から流出する浸出水は回収するのみ。C2):底部から流出した浸出水はそのまま循環。C3):流出水した浸出水に水を加えて一定量として循環、の変化を与えた。カラムの上部は通気させ、発生ガスとともに捕集し、CO2, O2, N2, CH4, H2を定期的に測定している。また、カラム下部には浸出水回収用の瓶を配置して浸出水を回収し、pH, EC, ORP, TN, TOC, Cl-についても定期的な分析を行っている。現時点で、循環を与えないカラムでは、廃棄物の乾燥が進行し、浸出水の発生やガス発生が停止する傾向が確認できている。
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