研究課題/領域番号 |
15K00589
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研究機関 | 埼玉県環境科学国際センター |
研究代表者 |
川嵜 幹生 埼玉県環境科学国際センター, 資源循環・廃棄物担当, 主任研究員 (20415384)
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研究分担者 |
鈴木 和将 埼玉県環境科学国際センター, 資源循環・廃棄物担当, 専門研究員 (70379824)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 化粧品ゴミ / 医薬品ゴミ / 医薬部外品ゴミ / 容器内残存物 / 不燃ごみ / 抜取調査 |
研究実績の概要 |
本年度は、自治体B市及びC市における再調査、また、プラスチック製容器ごみの排出方法が異なる分類であるD市においても新たに混入量調査を実施した。 その結果、B市及びC市においては、混入量及び残存量も倍以上であり、不燃ごみ中の化粧品、医薬品ごみ混入量は変動していることが示唆された。プラスチック製容器を不燃ごみとして分類しているD市の場合、不燃ごみ自体の搬入量、1人一日当たりの搬入量が、他の自治体のほぼ倍であるが、プラスチック製容器ごみが多く、データから見ると他のごみで希釈されるため、化粧品、医薬品ごみ混入量は少ない結果となった。 一方、贈答品と考えられる商品や試供品を除き容器内残存量・率が多い製品としては、ジェル状の洗剤・化粧品、液体ファンデーション、乳液及びマニュキュア、眉化粧品等、粘性の高い商品及び容器の構造により、必ずある程度の量の内容物が残存する商品があることがわかった。 これらの研究成果を1)平成28年度廃棄物資源循環学会年会併設全環研廃棄物研究発表会「一般廃棄物不燃ごみの適正処理に関する調査研究」、2)第38回全国都市清掃研究・事例発表会「不燃ごみ中の化粧品・医薬品ごみについて~残存量及び物理化学的性質の評価~、及び、3)The 9th Asian Pacific Landfill Symposium (APLAS), 'Current Conditions and Problems about How to Dispose of Toiletries Waste and Medicine Waste in Japan', にて公表を行った。また、情報誌「生活と環境、Vol.62(2),p60-65(2017)、「一般廃棄物不燃・粗大ごみの適正処理に関する研究」において、本研究の一部を紹介した。 APLASにおいて、Best Poster Awardを受賞した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度に実施予定であり、調査施施設の都合により延期した混入量調査を実施することができたが、回収品目・種類の増加、特に当初対象外であった洗濯洗剤、消臭剤、芳香剤等生活系化学製品の混入量が多いことが判明し、対象品目に加えたため、増加に伴い残留物調査時間が増加し、平成28~29年度実施の溶出等試験においても時間を要していることから、平成28年度中に準備予定であった埋立模擬カラムの作成ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度から平成29年度に実施予定である溶出試験等について、これまでに回収した化粧品、医薬品及び新たな対象として加えた生活系化学製品の中から混入量が多く、かつ、残存量が多い品目に絞り溶出試験、生分解試験及び毒性試験(Toxtrak)を実施する。また、埋立模擬カラム試験及び浸出液の毒性試験を実施することにより、処理・処分方法について評価を行う。 さらに、これまでの研究成果を国内外の学会、シンポジウム等で広報する。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に購入予定であった、分解性試験に係る備品(溶存酸素等を測定するための吸光光度計)及び関連試薬についての購入をおこなったが、想定より安価に購入できたこと、および、平成29年度実施予定であるカラム試験用の埋立模擬カラムを平成28年度に購入予定であったが、混入調査の実施及び溶出試験の実施のため購入を平成29年度に延期した。 当初の予定では、欧州で開催される国際シンポジウム(International Conference Hazardous Waste Management)において研究成果の公表予定であったが、申込み期限、開催日程及び業務上等の都合から、上海で開催したAPLASへの参加に変更したため、研究成果の公表における旅費及びその他費用(参加費等)において差額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に購入予定であった埋立模擬カラムの購入及び分解性試験に係る備品(溶存酸素等を測定するための吸光光度計)にて実施可能である毒性試験(Toxtrak試験)のための試薬購入する。また、研究成果の公表等を積極的に実施する。
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