研究課題
本研究では高塩素化ポリ塩化ビフェニル類(PCB)に対して高分解性を示す芳香環水酸化ジオキシゲナーゼの変異体酵素の創製を目指すことを目的とする。平成27年度に行ったComamonas属由来の芳香環水酸化ジオキシゲナーゼの変異体解析の結果からComamonas属由来の多重変異体酵素よりも他の酵素を試すことが有効であると考え、昨年度に引き続き、本年度も当初の計画を変更してComamonas属由来の酵素以外の可能性について検討した。昨年度に候補として選定した3種類の芳香環水酸化ジオキシゲナーゼ遺伝子の大腸菌での発現条件を検討した。これら3種類の酵素をコードした発現ベクター(昨年度作成済)を大腸菌(BL21(DE3)株、BL21(DE3)株pLysS、Rosetta2(DE3)株)に形質転換し、宿主を決定した。その結果、これら酵素のうち、2種類の酵素はBL21(DE3)株を宿主としてビフェニル代謝活性を検出することができたが、残り1種類はどの宿主においてもほとんど活性が検出できず、発現も確認できなかった。そこで、活性が検出された2種類の酵素のうちビフェニル代謝活性が高かった酵素に対して、PCB複合体の推定構造を基に基質結合部位ならびにその周辺部位を候補として変異体酵素を作成し、ビフェニル代謝活性を指標にスクリーニングを行った。それらのうち、数種類の変異体で活性が保持されていたので引き続きPCB分解活性を検討する必要がある。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)
Biochimica et Biophysica Acta General Subjects
巻: 1861 ページ: 2852-2860
10.1016/j.bbagen.2017.08.002
生物化学的測定研究会年報
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