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2017 年度 実績報告書

低温溶融ガラスを用いた浮上性リン吸着材の開発とバイオマス廃棄物からのリン回収

研究課題

研究課題/領域番号 15K00605
研究機関県立広島大学

研究代表者

原田 浩幸  県立広島大学, 生命環境学部, 教授 (20222234)

研究期間 (年度) 2015-10-21 – 2018-03-31
キーワード発泡ガラス / リン酸イオン / 吸着材 / 鉄担持 / 硝酸イオン / 炭酸カルシウム
研究実績の概要

廃ガラスを粉末にして炭酸カルシウムを添加して発泡させたものは,土木資材などに使われている。本研究では用途の拡大を目指して吸着材としての利用を検討した。リン吸着材としての利用はすでに報告されているが,成分中のカルシウムとの反応によるので,リンを脱着して繰り返して吸着材を使うことは難しい。そこで本研究では鉄を担持させて,水中で鉄と結合する水酸イオンと目的とするリン酸イオンとの陰イオン交換による吸着を目指した。比重も軽く浮上するのでSSが間隙に堆積しても揺動を与えることで分離できる。
実験は回分式と連続式で行った。測定はモリブデンブルー法に従った。温度は基本的に30℃に制御した。発泡ガラスは製品の10mm程度のものを用い,2M硫酸鉄溶液中で撹拌しながら110℃で2時間接触させた。その後,分離・洗浄・乾燥して吸着材とした。乾燥比重は0.4程度であり,液中で浮上する特性を持つ。
回分式の結果により吸着量が最適となるpHは2-3であり,平衡到達時間は3-4時間,飽和吸着容量は6.23mg/g(リン酸イオン)であった。担持された鉄により,副次的に硝酸イオンも還元され,アンモニアイオンになるが,25-30%は窒素ガスまで還元されることが分かった。 原水リン酸イオン濃度4.5mg/Lの連続化カラム試験では吸着材容量の150倍程度まで破過に至らなかった。回分による吸着容量の70%の値で破過となった。 硝酸との共存系ではリンの吸着容量に影響はなかった。またカラム内に気泡が蓄積していたので,窒素ガスによるものと思われた。以上のことからリン酸イオンと硝酸イオンの同時濃度削減に有効であることが分かった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Phosphorus Adsorption and Nitric Acid Reduction by Ferrous Sulfate-Treated Foamed Waste Glass2018

    • 著者名/発表者名
      Asmak Afiliana, Harada Hiroyuki*, Katayama Yumi, Nishikawa Hanami, Mitoma Yoshiharu, Tomoyuki Miyamoto
    • 雑誌名

      Journal of Materials Science and Chemical Engineering

      巻: 6 ページ: 21-30

    • DOI

      10.4236/msce.2018.63002

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Effects of Co-Existing Ions on the Phosphorus Potassium Ratio of the Precipitate Formed in the Potassium Phosphate Crystallization Process2017

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Harada, Yumi Katayama, Asmak Afriliana, Minori Inoue, Ryota Teranaka, Yoshiharu Mitoma
    • 雑誌名

      Journal of Environmental Protection

      巻: 8 ページ: 1424-1434

    • DOI

      10.4236/jep.2017.811086

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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