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2017 年度 実績報告書

臭気を含む室内空気環境の新しい健康影響評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K00613
研究機関千葉大学

研究代表者

中岡 宏子  千葉大学, 予防医学センター, 准教授 (60588648)

研究分担者 瀬戸 博  千葉大学, 予防医学センター, 特任教授 (60725810) [辞退]
森 千里  千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (90174375)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード室内空気質 / 揮発性有機化合物 / ケミレスTVOC / 臭気
研究実績の概要

2015年度、新築直後の51戸および入居後3か月の室内空気調査と健康調査を行い、2016年度は症状の訴えのあったオフィスで13か月にわたっての室内環境調査、健康調査およびシックハウス症状の訴えがある相談者の症例研究を行った。同時に建材、塗料についての放散速度試験を行い、症状の原因追及を試みた。2017年度は、新しく建設した実験棟居室にて健康なボランティアによる約2時間の短期滞在による実証実験を行った。空気環境の違いによる主観的なデータ(アンケートによる症状、においなど)に加えて、客観的データ(脳波、心拍変動、唾液アミラーゼ、呼気一酸化窒素、課題遂行)をとり解析を行った。
症例研究の結果からは高い精度(R2Y = 0.994, Q2 = 0.912)で化学物質や環境因子によって症状の強さを予測できた。具体的には、症状の強さはドデカン、D5(デカメチルシクロペンタシロキサン)、テキサノール、イソドデカンといった化学物質と強い正の相関を示し、反対に湿度と負の相関を示すという結果が得られた。つまりこれらの特定の化学物質への曝露が少なければ少ないほど症状の発現を予防できるということがわかった。症例研究という限界はあるが、確かに室内空気中の特定の化学物質がヒトに健康影響を及ぼしていること、そしてその化学物質の濃度によって症状の強さを予測できることを示唆しており、空気中の化学物質の削減がシックハウス症候群の予防につながる可能性があることがわかってきた。臭気と化学物質濃度、症状などのアンケート調査、客観的データの関係は、43人のデータを得ることができた。臭気と脳波、心拍変動については有意差が見られなかったが、臭気の認知については有意差が見られた。被験者のほとんどが健康で若いボランティアであったことから今後、感受性の高い人に対しても同様な結果が得られるかどうか調査をしていく予定である。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)

  • [雑誌論文] A preliminary study to investigate the relationship between indoor environment and its effect on physical and mental health2018

    • 著者名/発表者名
      Nakaoka H., Suzuki N., Nakayama Y., Takaya K., Todaka E., Tanaka S., Matsushita K., and Mori C.
    • 雑誌名

      WIT Transaction on The Built Environment

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Dietary Habits and Cooking Methods Could Reduce Avoidable Exposure to PCBs in Maternal and Cord Sera2017

    • 著者名/発表者名
      Weiwei Jin, Masae Otake, Akifumi Eguchi, Kenichi Sakurai, Hiroko Nakaoka, Masahiro Watanabe, Emiko Todak, Chisato Mori
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1038/s41598-017-17656-9

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 可搬型リアルタイム VOC 分析装置の開発への展望2017

    • 著者名/発表者名
      高谷一成、中岡宏子、鈴木規道、中山誠健、下田美智子、戸髙恵美子、森千里
    • 雑誌名

      臨床環境医学

      巻: 26(2) ページ: 92-97

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 環境改善型予防医学に基づいたケミレスタウン・プロジェクト2017

    • 著者名/発表者名
      中岡宏子、戸髙恵美子、花里真道、鈴木規道、中山誠健、高谷一成、下田美智子、森千里
    • 雑誌名

      臨床環境医学

      巻: 26(2) ページ: 98-107

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ケミレスタウン・プロジェクトフェーズ3の目指すもの  2017年-2022年の展望2017

    • 著者名/発表者名
      中岡宏子、鈴木規道、中山誠健、高谷一成、下田美智子、戸髙恵美子、花里真道、森千里
    • 雑誌名

      臨床環境医学

      巻: 26(2) ページ: 108-113

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 環境改善型予防医学とケミレスタウンプロジェクト2017

    • 著者名/発表者名
      中岡宏子、鈴木規道、中山誠健、高谷一成、森千里
    • 学会等名
      日本臨床環境医学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 環境と健康を考えた未来世代のための街づくり 研究事例の紹介2017

    • 著者名/発表者名
      鈴木規道、中岡宏子、中山誠健、高谷一成、森千里
    • 学会等名
      日本臨床環境医学会
    • 招待講演
  • [学会発表] ケミレスタウンプロジェクト・フェーズⅢ 2017-2022での展望2017

    • 著者名/発表者名
      中山誠健、高谷一成、鈴木規道、中岡宏子、森千里
    • 学会等名
      日本臨床環境医学会
    • 招待講演
  • [学会発表] An approach to make a healthy indoor environment in order to prevent adverse effects on human2017

    • 著者名/発表者名
      Hiroko Nakaoka, Norimichi Suzuki, Akifumi Eguchi, Emiko Todaka, Chisato Mori
    • 学会等名
      Healthy Buildings 2017 Europe
    • 国際学会
  • [学会発表] リアルタイムVOC分析のためのイオン付着法を用いたイオン移動度分析装置の開発2017

    • 著者名/発表者名
      高谷一成、中岡宏子、鈴木規道、中山誠健、下田美智子、森千里
    • 学会等名
      原子衝突学会第42回年会
  • [学会発表] 化学物質過敏症疑いの患者の室内曝露と症状発現の関係について その22017

    • 著者名/発表者名
      中岡宏子、鈴木規道、下田美智子、中山誠健、高谷一成、戸高恵美子、森千里
    • 学会等名
      平成29年度室内環境学会学術大会
  • [学会発表] 室内空気質に関する意識・住環境・個人属性アンケート調査 その1 住居環境および個人属性とシックハウス症候群に関する記述統計2017

    • 著者名/発表者名
      中山誠健、中岡宏子、鈴木規道、高谷一成、下田美智子、花里真道、戸高恵美子、森千里
    • 学会等名
      平成29年度室内環境学会学術大会
  • [学会発表] 室内空気質に関する意識・住環境・個人属性アンケート調査 その2 住居環境および個人属性とシックハウス症候群に関する相関分析2017

    • 著者名/発表者名
      鈴木規道、中岡宏子、中山誠健、高谷一成、下田美智子、花里真道、戸高恵美子、森千里
    • 学会等名
      平成29年度室内環境学会学術大会
  • [学会発表] 室内空気曝露とヒトの生理指標による健康影響評価2017

    • 著者名/発表者名
      下田美智子、中岡宏子、鈴木規道、中山誠健、高谷一成、戸高恵美子、森千里
    • 学会等名
      平成29年度室内環境学会学術大会

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公開日: 2018-12-17  

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